第6話 アプリ開発よりイチャイチャしたいお姉さん
それから俺達の関係はどうなったのかといえば、今も一緒にアプリ開発をしていたりする。もちろん恋人同士であり、開発担当者とバイトの間柄でもある。
今日もベッドに寝かされた俺に覆いかぶさった綾奈さんが、実験&音声収録と称してイチャイチャしているところだ。ただ、収録のため俺が声を出せないのを良いことに、ちょっとエッチなイタズラをしまくっている困ったお姉さんだったりする。
「あむっ、ちゅっ、ちゅぱっ……ふふっ、キミ、今日もかわいいわね。キスされて感じちゃってるの? えっ、お姉さんにキスされまくって
綾奈さんの手が、俺の脇腹をコチョコチョする。俺が声を出せないから、わざとくすぐって声を我慢する俺の顔を見て楽しんでいるのだ。
「ほぉら、くすぐっちゃうから。コチョコチョコチョぉ~っ、コチョコチョコチョぉ~っ! どうかなっ、眠くなってきた? 早く寝ないと、もっとお仕置きしちゃうぞぉ」
ぐああああ~っ! こんなん、くすぐったくて眠れるわけないだろぉ!
俺は声を我慢しながら耐え続ける。
「ええぇ、これじゃ眠れないって? もう、しょうがないなぁ。眠る前に軽い運動をすると、ぐっすり眠れるらしいよ。じゃあじゃあ、お姉さんとプロレスごっこしよっか? えっ、子供じゃないって? ふふふっ、ねえキミ、プロレスごっこは大人がやっても楽しめるんだぞっ」
そう言った綾奈さんが、俺の体に手足を絡めてくる。綾奈さんの柔らかな胸や太ももが当たって、プロレスどころではない。
「えいっ、お姉さんボンバー! ぼよぉ~んって……ねえ、今お姉さんの胸さわったでしょ? えっ、私からぶつかってきたって? そ、そうとも言うかもしれないけど……」
いやいや、綾奈さん、わさと胸を当てたよな。
「次はぁ、お姉さんヒップアタック! むっち~ぃん……ねえ、やっぱりキミ、私のお尻さわったよね? ん? 正直に言いなさい。もしかして触りたいの? キミが、さ、さわりたいのなら……さわらせてあげても……い、いいけど……」
めっちゃ触りたい! てか、これ本当に実験と収録なのか? 何だか綾奈さんがイタズラしているだけに思えてきたぞ。
「はい、3、2、1、終了ぉぉ~っ! 残念でしたぁ」
ええっ! 勝手に終了された。
「ふへへぇ、もう、エッチなのはダメだぞぉ♡ でもでもぉ、キミが良い子にしてるのなら、ね、寝技とかもやっちゃおっかなぁ? お姉さんバックドロップ! えっ、それ寝技じゃないって? え、えと……良いのぉ、お姉さんが寝技って言ったら寝技なのぉ」
素で間違えているのか、ムキになって誤魔化そうとする綾奈さん。滅茶苦茶可愛い。
「こ、こほん……じゃあもう一度、お姉さんバックドロップ! むっちむちぃ~ん……」
長く美しくムッチリと肉付きが良い綾奈さんの脚が、俺の首に巻きつく。それは締め技だと言いたいが、何かもう色々とエロ過ぎて限界だ。
「ほらほらぁ、こうやって私の足で君の首と関節をキメて……ね、寝技に……あれ? あれあれ? 何で嬉しそうな顔してるのかなぁ? お仕置きされて喜んじゃダメでしょ。もしかして、お姉さんの太ももで顔を挟まれて、エッチなこと考えてるんでしょ? もぉ、キミ、エッチだからぁ。もっともっとお仕置きしちゃうからね」
完全に抱き合う形になってしまう。
「ハァ、ハァ、ハァ、も、もぉ♡ 逃がさないようにギュ~ってしちゃうから。ふふっ、お姉さんに捕まっちゃって逃げられないぞっ。ねぇ、いぃ~っぱいお仕置きしちゃうから。そうだなぁ、お仕置きは『お姉さんキス固め』かな? これはぁ、お姉さんに抱きつかれたまま、ずっとずっとキスされちゃう技だぞ」
顔を赤くして息も荒い綾奈さんが俺の上に乗る。何だか年上のお姉さんに食べられてしまいそうだ。
「えっへへぇ~っ♡ キミのくちびる、いっただっきまぁ~す♡ んちゅっ、ちゅっ、ちゅっ♡」
柔らかくぽてっとした綾奈さんのくちびる。キスをされる度に胸がキュンキュンと切なくなり心臓が飛び出しそうだ。
「ほらぁ、キミは永遠に私のものなんだよ。ずっとずっとキスされちゃうの。私の告白にOKしたってことは、何年も何十年も何百年も、例え星が滅んだとしても、永遠に愛される運命なんだからね。お姉さんと、ずっと一緒なの。覚悟してよねっ♡」
永遠に愛される運命――――
嬉しい。大好きな綾奈さんと恋人同士になれるなんて。この幸せが、ずっと続けば良いのに。
そして実験と収録は終わり、綾奈さんが俺の上から降りた。
「うん、お疲れ様。今日も良かったよ」
「ありがとうございました」
このまま終了かと思いきや、機材のチェックをしていた綾奈さんが、再び俺の上に覆いかぶさってきた。
「うんしょっ、ふふっ、まだ終わってないよ。次、リテイク行ってみよう」
「は?」
リテイクと聞いて茫然とする俺。まさか最初からラブラブでイチャイチャなのをやり直すつもりなのだろうか?
「えへへぇ、今日はリテイク10回くらいやっちゃおっかなぁ♡ ねえぇ、良いでしょ♡ 今日は夜までお部屋でイチャイチャしてようよぉ♡」
実験はどこに行ったのか、綾奈さんは俺に抱きついてキスしまくっている。また、年上のお姉さんからエッチにイチャイチャされる時間の始まりだ。
「んちゅっ、ちゅっ、んぁ♡ キミ、今日も可愛いね。食べちゃいたいくらい♡ えっ、さっきとセリフが違うって? いいのっ♡ そこはアドリブだよ。お姉さんに、全て任せてねっ♡」
今日は最初から実験ではなく、ずっとイチャイチャする予定だったのだろうか。『この幸せが、ずっと続けば良いのに』と願ったら、本当にずっと続くことになってしまった。
「んんっ♡ 大好き♡ 大好きだよっ♡ 明日も明後日も、ずっとずっと一緒に実験しようねっ♡」
こうして、俺と綾奈さんのラブラブ生活が始まった。永遠に一緒の幸せな二人で、変わらない大好きな想いのままに。
そして今日も、快眠アプリの音声収録なのに、お姉さんの声が刺激的過ぎて眠れない。
快眠アプリの開発モニターバイトに応募した俺、超美人お姉さんのエロボイスで興奮させられまくって全く眠れない。 みなもと十華@書籍発売中 @minamoto_toka
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