ノイズフェイス~少年少女は悪行色に染まる~

覡のおやすみ

プロローグ

 ここは【ビルビオン共和国】の端っこに位置する場所。

 アルマンという男は壁が赤く染まった6畳の部屋にいる。窓から差し込む月の明かりだけが唯一の照明。


 茶髪の短髪に茶瞳。年齢は40歳くらい。年齢とは程遠い筋肉質で180センチはあるであろう体型に恵まれている。


「これで本日の仕事は終わりだ。さて、この国の犯罪件数は年に何回くらいが俺のものなんだ?」


 近年。【ビルビオン共和国】の犯罪件数が極端に上がった。銀行強盗や殺人未遂、窃盗などありとあらゆる犯罪が今でも起こっている。


 その中でも一際目立つのが――約半数以上の犯罪はこの組織の手によって起こされている。


「おいアルマン。こっちへこい。奴ら警察が来た。一刻も早く立ち去らないと蜂の巣にされるぞ」


「分かっている。では行くとしよう」


 扉から太り気味の男がアルマンを呼びに来る。

 もう見つかったのか、と言わんばかりに眉を寄せ、握っていたハンドガンを腰にしまう。


 刹那――ヘリコプターのスポットライトがこの家を照らす。

 異変に気付いた男とアルマンは締まりきったカーテンから覗くと、拡声器持った男から「君たちは完全に包囲されている。さっさと出てきなさい!」と。


 舌打ちを鳴らし男は銃を抜く。そしてカーテンを開け、警察に銃口を向ける。


「アルマン! ここから先は俺が引き受ける! お前は行くべきところに向かえ!」


「バカ! 伏せろ!」


 アルマンは男の頭を掴み、地面へ伏せる。

 すると銃声が響く。そして轟音と共にまばゆい光がアルマンと男の目を奪う。


「くっそ! こっちへこい! 予備の逃走ルートから抜け出すぞ!」


「アルマン! 危ない!」


 男の服を引っ張り、アルマンは地下シェルターに掘られた抜け穴から脱出を試みようとするが、男はアルマンを突き飛ばす。


 瞬間――男は炎を纏い数秒後、頭を垂れるように膝を折る。

 突き飛ばされたアルマンは驚きの顔を隠せない状態で男を起こす。


「大丈夫か!?」


「アルマン……よく聞いてくれ……娘にごめんな、と言っておいてくれ……」


「目を瞑るな! 本当に死んじまうぞ! おい閉じるな!」


「リーダーに言っておいてくれ……俺は立派な行動でアルマンを救ったってな……またな……」


 男は息を引き取る。

 アルマンは雫を頬に流し、腰にぶら下げたハンドガンを握り取る。


(また仲間が死んだ……今月で何人目だ? 4人目だぞ? あのクソったれ共は犯罪者を見放すのか? 意味が分からない。こっちはやりたくてやってる訳じゃない。殺れるか殺れないかの問題ではない。今ここで殺らなければ今度こそ負ける!)


 アルマンは立ち上がり、開けられたカーテンのところへ向かい、数発放つ。

 放たれた銃弾は見事に警察の心臓を撃ち抜き、コンクリートの地面に真っ赤な血を浴びせる。


 そして窓枠に片足を置き、


「こっちへこい! 狙いは俺だろ! 今ここで相手にしてやるよ警察共!!」


 1人で立ち向かってから1時間後。

 警報は鳴り終わり、地には血溜まりが出来ている。そして頭だけを握るアルマンの姿だけが月光で影が映し出されていた。


――――――――――――――――――――


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