かけ忘れたタオル

@nayata

第1話 違和感とタオル

 頭がズキズキする。


「またかぁ」

 

 ため息と一緒に出た言葉は、何度目かもう覚えていない。


 最近起きると必ず頭痛がする、夜ぐらいになれば自然と治るが未だにこの頭痛に慣れない。


 病院に行ったらストレスが原因だと言われたので、両親と一緒に旅行に行ったりといろいろしてみたが結局だめだった。


「このまま頭痛と一緒に人生を過ごすのか」


 俺は今年で大学生になったがこの頭痛のせいで人と話す気力が出ず、未だに友達ができていない。高校生のときにできた友達は、みんな忙しいのか連絡の取り合いはなく実質ぼっちだ。


 一人暮らしに慣れた頃、俺は洗濯物を折り畳んでいた。家事の休憩がてらテレビの電源を付けると心霊番組がやっていた。


 俺はこの頭痛に悩まされて躍起になっていた頃、霊や占いなどのオカルトを目にとまった物から調べていたのでオカルトの知識を浅く知っている。


 心霊番組では、前世の記憶というものついて話していた。今の俺は冷静だから----

昔の俺だったら信じてしまっただろうと思う。


 折り畳んだ洗濯物を直しているときタオルが一枚ないことに気づいた。頭痛か強くなる。


 「いっ」


 つい声が出てしまうほどの痛みが頭をしはいしまともにかんがえることができなくなっていく。


 どれほどの自転車時間が経過したのだろう一時間かもしれないし5分程度だったかもしれない。とりあえず自分の体に傷がついていないか調べないと。


 体に傷はついておらず周りの物も変化はなかった。頭痛は、治ったが何か違和感を感じる。

 

「明日病院に行くか。」


 ため息を吐きながら家事の続きをする。今日は料理をする気が起きないからインスタントラーメンでいいか。


 「そういえばあのタオルはどこだろう」 


 洗濯機や寝室などを探してもタオルは見つからなかった。一時間ほど部屋中探し回ったが、失くしていたワイヤレスイヤホンの片方が見つかっただけだった。


 一時間も探していたので疲労が溜まり眠気が襲ってきた、タオル探しは明日しようと思いながら眠りについた。

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