そして未来というエピローグへ
「感想は、どうでしたか。お姉さま?」
後輩の妹達が、そう聞いてくる。私は冷蔵庫に用意していたスポーツドリンクで水分補給を終えてから答えた。
「うん……ありがとうね、私を殺さないでくれて」
大笑いされたけれど、私の本心だった。本当に
「夏休みが楽しみですね、お姉さま」
一年生の妹が、そう言ってくる。私が殺されるとしたら、最年少の、この子が危ないのではないだろうか。体力が違いすぎて、まともには相手をしたくない世代だ。
「心配しなくても、夏休みが終われば、お姉さま達とは
何ともドライに、二年生の妹達が言う。
「……卒業しても、ずっとずっと、一緒に居てください。嫌だって言われても離れません」
学年二位の優等生だったはずの彼女が、子供みたいな事を言ってくる。可愛らしくて、ベッドの上で私は貴子ちゃんの頭を無意識に撫でていた。「ご、
「お姉さまは、貴子さまを
後輩の妹が私に、そんな事を言って。「そーだ、そーだ」、「私達は貴子さまの
私達はベッドの上で、下着姿で、こんな事を話している。クーラーが
もうちょっと、ハーレムプレイを楽しみたいんだけどなぁ。夏休みの間までなら、妹達も私の遊びに付き合ってくれるだろう。さて、その先の事は、どうしようか。
「笑って誤魔化そうとしても駄目ですよ、お姉さま」、「貴子さまを将来も愛するかどうか。ここで、ハッキリさせてください。私達を失望させないで、お姉さま」。
貴子ちゃんと後輩の妹達が口々に言ってくる。結局、私が、どうしたいかで全て決まる。私は自分に恋愛感情が無いのだと思っていたけれど、そうでもないのだと最近は自覚していた。少なくとも私は、貴子ちゃんを
という訳で、私は貴子ちゃんを
たぶん複数愛者が完全に納得できる世界というものは、実現は難しいだろう。よその家の人妻を奪えば、それは争いが起こるものだ。結婚制度や社会制度を変えなければ、つまり革命でも起こさなければ無理かも知れない。念入りに計画を
世の独裁者は、よその領土が欲しくて侵略戦争を起こすらしいけれど、今の世の中は人権意識が高くなっているから上手く行かないと思う。私も文芸部でクーデターを起こされてしまった。貴子ちゃんが
私には今も恋愛感情が、ハッキリとは分からない。だから
私には革命を起こす力があるかも知れない。多くの犠牲者を出しながら、
皆が穏当に生きていけるのなら。その時が本当に、世の中が変わる瞬間なのだろうか。私の前で幸せそうに笑う妹達の姿を見ていると、そんな考えが浮かんでくるのだ。
「次、メンデルスゾーンの方を
後輩の妹達は、ワーグナーの結婚行進曲を先ほど、アカペラで
「キスしてください、お姉さま……」
すっかり花嫁の顔になった貴子ちゃんが、そう求めてきて、私はリクエストに
百合を食(は)む 転生新語 @tenseishingo
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