二七話 第五四回円空学会総会

 本日(令和六年九月二一日)、名古屋市千種区今池にあるガスビル7階プラチナホールと鉈薬師で第54回総会、講演会、現地見学が開催されました。


 まだまだ暑さの残る中、東は茨城県、西は大阪府から、約四十人が参加しての会となりました。


 総会中、令和五年度の会務報告、決算報告、監査報告が行われ、無事に承認。

 次いで、会則の変更及び人事変更と人事追加が小島梯次理事長から提案があり、こちらも承認されました。

 今後、会長の下に副会長が置かれ、その任に辻村智弘氏、前田邦臣氏。会計に後藤正美氏、監査に加藤正宜氏が当たることとなります。


 その後、令和六年度会務予定が辻村副理事長から。令和六年度予算が後藤会計から告げられました。


 その質疑応答の中で、郵便料金の値上げ、印刷関係の用紙、インク代の値上げに伴う会費の値上げについての質問がありましたが、それについては次年度は行われないことが確認され、承認採決が行われ、こちらも承認され無事に総会が閉会。


 トイレ休憩を挟み、次の講演会に移りました。


 講演会は、今回の総会担当の清水暢夫常任理事による「鉈薬師諸像について」をテーマに極初期像から鉈薬師諸像までの様式の変化を中心にスライドを使い論じられ、その後の質疑応答では活発な意見、質疑がされました。


質疑応答の中では、憤怒相は鉈薬師のものが最初では無く、秋田県能代市・龍泉寺の十一面観音の化仏(立ち阿弥陀)の右側の小面の三ないし四面が先ではないか?や鉈薬師の阿弥陀如来、観音菩薩、十二神将などの諸像のデザインは飛び抜けているので、張振甫やその一族、または関係者の強い意向が働いたのでは無いかなどの意見が出されました。


 その後は、昼食を挟みつつ自己紹介。

会場の返却が12時5分が限度でしたのでその10分前までには鉈薬師への移動が始まりました。


 鉈薬師へは、今池駅(地下鉄東山線)から二駅の覚王山駅で下車。参道を通り抜け、歩いて15分ほど。

蒸し暑さが体力を削ってきます。


 鉈薬師では、他の参拝者が少ないことから堂守さんにご許可を頂き、特別に小島理事長から簡単にレクチャーを頂き、各自それぞれに思うまま意見を交わし合っての拝観となりました。


 鉈薬師の円空像群は、阿弥陀如来、観音菩薩、日光菩薩、月光菩薩、十二神将、僧形合掌像の十七体。どの像にも他所には無い大陸(明国以前)の仏教文化の影響や日本人には無い感性のものが感じられました。

恐らくは、円空の独自性ではなく、施主である張振甫(明国の滅亡による亡命者、皇族に連なるとされる)やその一族の指導や要請があったのではないかと感じてしまいました。


尚、鉈薬師の公開は、日泰寺の御縁日(毎月二一日)に併せて午前十時から午後二時までの公開となっています。拝観料は、お賽銭程度ですのでどなたでも気軽に拝観ができます。ただし、写真撮影は許されていませんので、お気をつけ下さい。


 今回、お世話になった鉈薬師の堂守さん、そして、準備にご尽力頂いた清水常任理事ご夫妻、また、ご参加頂いた会員ご同伴の皆様に厚くお礼申し上げます。


写真は、こちらで確認ができます。

https://www.facebook.com/share/mDgjt1Z4GRPM1tND/?mibextid=WC7FNe

撮影:前田邦臣(天狼星)

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