戦いのドア

バブみ道日丿宮組

お題:淡いドア 制限時間:15分

 行くか行かまいかで、数分ステイしてた。

 玄関ドアの前にいるのは明らかに不審者で、通報されかねない。マンションということもあって、見上げない限り見つからないのだけは幸いか。

 私は決意が弱い。手汗をなんども拭う。

 いざ告白となると、失敗したときのダメージを考えてしまう。

 愛を伝えなければ、繋がるものも繋がらない。

 それはわかってる。

 けれど、でも、しかし。

 頭に浮かぶのは否定。

 私と一緒にいてくれた彼女は楽しんでくれたか、笑っててくれたか。

 それらが嘘でないというのであれば、一言愛してるという言葉が欲しい。

 そう願ってしまう。

 こういうのはやはり自分から言うべきことだと思う。

 扉の前にしゃがみこみ、再度思考を走らせる。

 失敗したら、一つの恋が終わるだけだ。また新しい恋を探せばいい。

 彼女以上の人を探す? 無理難題だ。

 素晴らしい容姿に、素敵な性格などなど、魅力がありすぎる。

 点数にすれば、100点満点で1億点ぐらいのレベル。

 そう……もはや神といってもいい。

 私にとっての女神がここにいる。

 神さまと付き合うことができるのであれば、おそらくいろんなひとがなにかを失ってでも手に入れようと考えるに違いない。

 私にないのは、その何が何でもという決意かもしれない。

 ええいいままよと、ついにチャイムを鳴らす。

 数秒の沈黙後、彼女の声が聞こえた。

 私と伝えると、玄関ドアを開けてくれた。

 驚きと喜びの顔に見えた。

 いけ、いくんだ。

 ポケットからケースを取り出し、プロポーズ。

  

 結果はーー保留だった。


 お風呂に入ってたらしく、ちょっとまってほしいと。

 バスタオル一枚は確かにそういう雰囲気ではない。

 了解を告げると、部屋にあがってて言われ、部屋に入った。

 あとのことはあまり覚えてない。

 起きたら、ベッドの上でなぜか裸になってた。

 それぐらいの衝撃があった。

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戦いのドア バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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