悪夢

 

悪夢

 目を覚ますと、そこは教室だった。私は、1番真ん中の前から3番目の席に座っていた。辺りを見回すも誰もいない。あるのは、大きな黒板1つだけだった。だから、私は確信した。これは夢だと。なぜなら、私の高校の制服はブレザーにも関わらず、今私が着ているのはセーラー服だ。それに、時計や掲示物がない教室なんてどう考えてもおかしい。


 私は、教室から出ようとドアに手をかけた。しかし、外側から鍵がかかっているらしく、開かなかった。でも、まあいいや。これは夢なんだし。私はそう考え、さっきの席に座り、窓から見える青空を眺めていた。しかし、ぼーっとするのにも限度というものがある。時計がない教室で変わらない青空をずっと眺めていると、頭がおかしくなりそうだった。早くこの夢から覚めたい。そう思い、私は窓際に近づいた。窓に手をかけると、窓が開いた。そして、私は下を眺めた。4階ぐらいの高さはあるだろうか。でも、夢だから死なないし、この悪夢から目覚めることが出来るのなら、少しも怖くない。私は、意を決して窓から飛び降りた。


「あいつ死んだね」


「うん、死んだね」


「それにしても、いつもと違う制服を着せて、時計や掲示物のない教室に監禁するだけで、気が狂って自殺しちゃうなんて……。人を殺すのって簡単だね」

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悪夢   @hanashiro_himeka

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