これは何なのでしょう? というのが初めに浮かんだ言葉でした。最早SFの世界ではお馴染みとなった思考実験、シュレディンガーの猫ですが、それを売っている猫屋のアルバイトと、そこに難癖をつける転売ヤーのお話……もう、何を言っているかはわかりませんね。シュレディンガーの猫というのは、ランダムな確率で毒ガスの出る装置とともに猫を箱の中へ入れたとき、次に箱を開けるときまで猫が死んだ可能性と生きている可能性は重なり合っているという量子力学の思考実験です。量子力学の奇妙な性質を表したものとして良く知られています。
今作はとにかくコントのような内容で面白く読みました。ジャージの男の「That's it!」の口癖といった細かい部分の作り込みが良く出来ています。また世界に猫が増えてめでたし、めでたしという終わりもブラックで良かったですね。