配役を通した、自分自身との対話。現実を忘れ、別人になりきる時間。
そんな世界で出会ったふたりの女子生徒が、互いに心の繊細な部分を預け合って、あたたかくやわらかな関係を築いていく。それは舞台をさらに成長させていくことに。
うん、演劇は、現実に作り上げられる魔法だ。

本作は演劇部に所属する、主に二人の少女にスポットライトを当てた学園青春物ドラマです。
登場人物の会話は全てが子気味良くて引っかかるところは無く、風景や空気の描写も丁寧で、読んでいると、古き時代の青春を美化して想起することができました。何せ、こんな素晴らしい青春を過ごした記憶が私にはありませんでしたので(笑)

如何なる形でこの話が幕を閉じるのか、それは是非ご自身の目で確かめて下さい。