第14話 エンカウンター
魔物の群れを
「さっきは確かに、なんか違和感があったんだけどなぁ」
それに、ゆっくりと観察する時間など与えないかの
エルスの背後に現れた魔物が、手にした武器を振り下ろした!
「――おおッと! こいつは、オークかッ!?」
なんとか不意打ちを
目の前では、だらしなく
この辺りの魔物では強い部類で、その巨体から繰り出される怪力は、駆け出しの冒険者にとって
強敵との
「ブオォォ――ッ!」
オークはエルスの視線が動いた隙を見逃すことなく、再び棍棒を振り下ろす!
当然ながら、魔物がこちらの応援など待ってくれるはずもない。
「独りになった
繰り出される重い一撃をステップで避け、エルスはオークの腹を
エルスは続けて剣を振り下ろすも――オークの手にした棍棒によって、斬撃は軽く受け止められてしまった。
木製の棍棒は
オークの腹からは
「チッ……! いつも通りアリサが居りゃ余裕なんだが……」
普段はアリサと二人で魔物狩りをしているエルス。
暗闇の中に相棒の姿を探すも、目に入るのは魔物の群ればかり。
さらに、それらの数体はエルスに気づき、こちらへの接近を開始している。
「出し惜しみしてると囲まれちまう……。こうなったらッ!」
進路を塞ぐ魔物を斬り払って走り、エルスはオークと距離を取る。
続いてエルスは剣に手をかざしながら、小さく呪文を唱える。
それに呼応するかのように、彼の銀髪と瞳が赤い光を放つ――!
「魔法剣ッ! レイフォルス――ッ!」
炎の精霊魔法・レイフォルスが発動し、エルスの剣が魔力の炎を帯びた〝魔法剣〟と化した!
「ブッ?……ブォォ――ッ!?」
剣が放つ炎によって、オークの
「へへッ! 豚の串焼きにしてやるぜッ! 全力必中――ッ!」
エルスは床を蹴り、オークの元へと
彼の気迫に
「――無駄だッ! そんな棒きれ、燃やしてやるぜッ!」
エルスは力任せに、炎の剣を振り下ろす! 一撃を受け止めた棍棒からは、堅い木を打ちつけたような重い音が響き――次の瞬間、炎に包まれた!
「ブヒィィン!」
オークは炎の熱に耐えきれず、慌てて武器を手放す。
そしてエルスの剣が、無防備となったオークの腹を深々と斬り裂いた!
大きく裂けた傷口からは、大量の黒い霧が
「これでッ! 戦闘終了だッ――!」
エルスは剣を持つ手をクルリと反し、オークの腹を刺し貫いた!
魔物の背中からは燃え上がる剣先が生え、同時に全身が炎に包まれる。
巨体は炎と黒煙に包まれながら
「へッ! 独りでも、なんとかなるモンだッ!」
見事、
彼は炎の剣を手にしたまま、左手で顔の汗を拭う。
だが、エルスが息つく間すらもなく。
炎に呼び寄せられるかのように、新たな魔物の群れが、こちらへと集まりはじめていた――!
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