文化庁、ものがたり保全課

へびはら

月曜から〇更かしを見て思いついたけど、全部書ける自信がまだないから、とりあえず肉付けから初めてみようかなと思ってウィキ風にキャラクター紹介とか書いてみた。

 あらすじ

 文化庁にはものがたり保全課というものが存在する。通称、ものがたり課。何百年という時を経て、また、人々に愛された事によって命宿った物語たちを保護し、次世代の若者に安心して読んで貰えるような物語を維持する為の活動をしている。主な活動内容としては後者だが、時折、物語をボイコットしたキャラクター達の説得なども行っている。一般的にはボイコットしたキャラクター達が空席(黒く塗りつぶされたよう)になると、本の販売、教育に差し支えるからだと周知されているが、実際は人々からの関心が一定期間、または一定数なくなると、虚無という未知の物体が物語を浸食する事が確認されている為。この虚無に食われてしまった物語は、人々の記憶から消えてしまう。また最終的にはものがたり課に保管されている原本(こちら側と物語を繋ぐ扉)までも消失してしまう。



主要人物


 尾仁(おに)

 中途採用で文化庁ものがたり課に配属された28歳、男。大学卒業と共に一般企業へ入社したのだが、即挫折。同人活動に出戻ってきたところを、たまたま即売会に来ていた劉に声を掛けられた。劉いわく、馬鹿正直に受験してきたのは尾仁が三人目らしい。この言葉を、尾仁は「どうせなら一人目が良かった」と微妙な顔で受け止めている。配属されて初めての任務は、ボイコットしている桃太郎の説得。犬猿鳥は仲間、鬼の急所はつかない、奪い返した金銀財宝は持ち主に返却、など、現代社会の都合に合わせたストーリーの変更にやる気を失くしている桃太郎に対して「鬼をどエロイお姉さんにしてみてはどうだ」と提案するなど、得意な作風はちょっとエッチなお話。ちなみにこの案は「いや、俺たちあくまで子ども向けだから」と桃太郎によって即棄却されている。物語へのボイコットを続ける桃太郎に苦戦していたとき、『こちら側』が虚無による浸食を受けはじめ、自分が住む場所もまた『物語』の中だと悟った。激しく動揺した尾仁だが、劉が浸食により死亡した事で、咄嗟に桃太郎へ救援を求める。どうせなら不利な戦いに身を投じてみたいという桃太郎の要望を受け、超絶美少女な桃太郎を描いた。


 桃太郎(ももたろう)

 川からどんぶらこっこと流れて来た桃を、切ったら産まれて来る男。はじめは祖母から産まれていたはずなのに、桃の中に入るようになった辺りから、なんだかおかしいなあと思って暮らしていた。鬼と戦う為に磨いた武に自信を持っているが、披露する場が年々少なくなっていく事に不満を抱いていた。近年では、犬猿鳥は対等な立場だと諭され、鬼から奪い返した宝も手元に置けば窃盗罪だと言われてボイコットを決意。全国の書店から『ももたろう』が回収される騒ぎが起こった。このまま虚無に食われてもいいかな、とも考えていたのだが、こちら側が浸食された事で、尾仁に助けを求められる。その際、どうせなら不利な状況で戦ってみたいという桃太郎の要望が受け入れられ、超絶美少女桃太郎としてこちら側へやって来た。『仲間』は(対等な為)力及ばずならば死ねと考えているが、『家来』ならば守ってやらねばと思っている。犬がうざい。


 猿

 桃太郎と一緒にこちら側へ来た。尾仁によって描かれたのは、ガチムチサラリーマン。事情を知らない人間には猿渡と名乗っている。顔の彫が異様に深い為、別に何を考えている訳でもないのに、常に悲壮感を漂わせる風貌をしている。色んなものを千切ったり投げたりして戦う。


 雉

 桃太郎と一緒にこちら側へ来た。尾仁によって描かれたのは、茶髪のチンピラ。事情を知らない人間にはトリサシと呼ばれている。ちなみにこれは、雉が名前を尋ねられた際、尾仁が咄嗟に、鳥から好物の鳥刺しを連想してしまった事による事故。こちら側へ来た当初は、慣れない人間の姿に戦う術を持っていなかった雉だが、尾仁によって「クナイ」と「瞬発力」の設定が書き足された。


 犬

 桃太郎と一緒にこちら側へ来た。尾仁によって描かれたのは、爽やか好青年。事情を知らない人間には犬飼と名乗っている。桃太郎の事が大好きで、常々桃太郎が犬だったらいいのにな、と思っていたところ、自分が人間になったどころか、桃太郎がメスになってしまった為、だいたいいつも発情している。自慢の脚力で翻弄しながら、自在に伸ばせる爪や牙で攻撃する。


 劉孔明(りゅう ひろあき)

 文化庁ものがたり課、課長。53歳。即売会で本を売っていた尾仁に「公務員になって、文化庁で働いてみない?」と声を掛けた。売れない劇団員だった志織も同様の文句で誘われている。虚無がこちら側へ浸食を始めた際、尾仁を庇って命を落としたように見えたが、実際は物語側の住人だったため、浸食されずに生きていた。嫁は防衛庁長官、劉美郷。志織いわく「多分課長は、どっかの諸葛孔明」


 志織(しおり)

 文化庁ものがたり課所属、23歳。ボイコットした赤ずきんに代わって赤ずきんを演じていたが、こちら側が虚無の浸食を受けた事により強制帰還の命が下った。もとはアングラの劇団員。ちんまりおかっぱの、小動物みたいななりをしているが、厚底靴や化粧を駆使して様々なものを演じてみせた看板女優。志織いわく、ものがたり課は天職。理由はどんなにイケメンだろうと二次元以上の時点で恋愛対象にならない為である。主人公を失くした『赤ずきんちゃん』が虚無に食われないために潜伏していたが、目的は狼を食す事。


 狼(おおかみ)

 『赤ずきんちゃん』の狼。昔は進んで悪さもしていたが、歳を経て、顔付から穏やかになってしまった中年狼。赤ずきんからの好意に答える事で物語を守ろうとしたが、手に入った途端興味がなくなてしまった彼女によって、物語ごと捨てられそうになっている。赤ずきんとの仲を取り持ってくれた志織に助けを求めたが、自身の貞操が狙われている事に気づいていない。


 赤ずきんちゃん

 身体はお子様のまま、歳だけ重ねてしまったマセガキ。狼の事は手に入らないから欲しかっただけで、手に入ってしまうとつまらなくなっちゃった。現在、理想の狼を探して放浪中。

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文化庁、ものがたり保全課 へびはら @hiori1224

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