第9話 エピローグ

乗り換え駅にもう少しで着くころ、雅美をゆり起こした。


私:「雅美。ヨダレたれてる」

雅美:「ふぁ?」


寝ぼけてキョロキョロしてる。雅美があわてて口に手をあてていると、マリがポケットティッシュを出して雅美の口元を拭いた。


マリ:「これで大丈夫です」

雅美:「あ、ああ、ありがと。マリ」雅美が目をパチパチしてる。


乗り換え駅で私たち5人は降りた。

先輩二人はここで下車して食事するからと言って別れた。


乗り換えの特急電車が来るまで30分待ち時間がある。

雅美はひとりでトイレに行った。

乙女の雅美は顔や髪のチェックをしたいのだろう。


私:「ところでマリ。昨日の夕方、先輩たちがレスリングしてたっていうのは?」

マリ:「あーあれは」マリがクスクス笑った。

私:「ほんとなの?」私は小声でまじめにきいた。

マリ:「まさか。二人が一緒に寝てただけです。ちょっと浴衣がはだけてたけど」

私:「なんだ。やっぱりそうか」

マリ:「秋田先輩が村瀬先輩に抱きついてるみたいに寝てただけ」

私:「ふーん。 え? 秋田先輩の方が。なの?」

マリ:「そうです。秋田先輩が村瀬先輩の胸に顔をつけて寝てました」

私:「ちょっと意外だね。逆のような気がするけど」

マリ:「リードしてるのは村瀬先輩のほうなんですよ。気がつきませんでしたか?」

私:「そうなんだ。 あ、今、雅美のドヤ顔にハラがたってきた」

マリ:「雅美さんには秘密にしといてあげてください」

私:「まあ、マリがそう言うなら。知らないことにしとくわ」



雅美:「お待たせ」 雅美が戻ってきた。


髪の寝癖を直しただけで顔は特に直したふうでもない。

ヨダレのあとが残ってないか確認しただけなんだろう。


私たちはお弁当を買って特急列車の車内で食べることにした。






おわり。




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『それぞれの恋(全9話)』


【各話リスト】


(1) 駅舎にて(不思議な夢)

(2) 温泉まんじゅう

(3) みんなでお風呂

(4) みんなでお食事

(5) みんなでお泊り

(6) マリの想い人

(7) 雅美の初恋

(8) みゆきのキモチ

(9) エピローグ




【登場人物】


私(みゆき)

棚橋雅美

京極マリ

秋田先輩

村瀬先輩


旅館のおばさん

タカシさん

ミワさん




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あとがき


創作話 『それぞれの恋』いかがでしたでしょうか?

インスピレーションを得たら、また、書いてみたいと思います。

最後まで読んでくださった読者の皆様、ありがとうございました。

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それぞれの恋(全9回) 黒っぽい猫 @udontao123

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