黒っぽい猫

近未来。東アジアは依然として緊張関係にあり、自衛官不足はいよいよ危機的状況に達していた。そこで政府が民意に基づき決定した異次元の法案とは？

義父母の家と私たち一家が住む家とは1キロほどしか離れていないので義母はときどき孫の顔を見に来ていた。なので土曜日の午後2時に行くからと言われても不自然には思わなかった。しかし大事…

私が若菜と初めて会ったのは、２週間の社員研修を終え本店営業部に勤めるようになってからである。若菜は本店の経理だった。若菜はたいてい明るかったが「どこか陰のある女性」とでも言おうか…

アキラの相談とは「お見合い」の作法についてだった。そんなこと私が知るわけがないのだが、研究室でたったひとりの「いちおう女」である私は、アキラの恋愛指南をする羽目になった。やれやれ。

「僕は殺人犯については死刑制度が必要だと思います。他人の命を奪った者に対する刑罰として自分の命をもって償うのは当然のことでしょう？」清家准教授の答えは？

同じ美術部の志郎に恋したエミ。しかし志郎には想い人がいた。私の想いは通じないの？エミはなんとかして志郎に想いを伝えようと悩む。

第1回目の講義のとき、何に関しての質問だったか忘れたがある学生が清家先生に意見を求めた。清家先生に質問する勇気があるのはごく一部のまじめで優秀な学生だけだったから、その学生が質問…

ルミはとにかく可愛い。ルミのためなら私は一生独身でメイドとして仕えてもいい。そのルミが家出して、私の部屋に泊まることになった。

全力で講義室まで走ったのだが、間に合わなかった。担当教官は厳しいので有名な清家准教授である。息切れしながら一番後ろの席にそっと座ったが、清家先生は見逃してくれなかった。

私（みゆき）は、雅美、マリ、秋田先輩、村瀬先輩の５人で温泉旅行に行った。農家のはなれをリフォームした宿だが、一組限定一棟借りのちょっと豪華な旅だ。恋模様はひとそれぞれ。恋とは？愛…

教師を目指す私（みゆき）は、先生がこっそり見せてくれた資料室の片隅で、ポツンと1本だけ咲く赤いヒナゲシを見つけた。先生は孤立している子を見落としてはいけないと言う。 クラスには…

知る人ぞ知る昭和の名曲「雨宿り」のオマージュ作品。

4月最初の日曜日。その日は桜が満開で、すでに花吹雪となっていた。花曇りだが気温は5月上旬の陽気。お花見ができる最後の休日だった。夫と私は3歳になった娘のかおりを連れて龍神池に桜を…

今日は午前中で下校になった。私は先生に頼まれたことがあり、みんなより1時間遅くなった。ああ、おなかがへった。帰りにコンビニでおにぎりでも買って帰ろう。

龍神池の周囲、堤の遊歩道に沿って植えられた数十本のソメイヨシノ。その桜の花が満開を少し過ぎて、風が吹くたびに花吹雪となって散っていた。

私が自分の嗜好が周囲と多少異なると気付いたのは小学3年生の春だったと思う。

夫婦の絆って、なんだろね

そう言うと父は立ち上がって部屋を出て行った。