第6話 そして私は恋をする
6話
あんなこと始めて言ってもらえた。
その日、私は初めて自分の名前を好きになった。
あの人、うちの制服だよね…?何年生なのかな
私は恋をした――
あれから全くオシャレとは無縁だった私が、女性雑誌等を読み漁って必死に努力した。
メガネからコンタクトにも変えた。
肩までもない短かった髪も伸ばした。
メイクも覚えた。
徐々に周りからは可愛いって言ってもらえるようになっていった。
同じクラスの男の子からも告白してもらう機会も何度かあった。
気がつけば周りには友達が溢れていた。
あの人の言葉をきっかけに私の人生は変わった。
けれど神崎くんは全く私に興味を示してくれない……
神崎くん、絶対に私の事なんて忘れてしまってる。いいもん!もっともっと可愛くなっていつか絶対に振り向かせてやるんだから!
――來夢は神崎蓮に恋をした。
それから二年……
もおおおおおおおおおお!!!!!!
どうして神崎君は私に興味を持ってくれないの!?
やっぱり自分から積極的に行動しないとチャンスなんて来ないよね……?
よし、決めた。
二年生最後の終業式――
告白しよう……!
――こうして來夢は蓮に告白した。
しかし、その結果は決して良いものでは無かった。
私は初めての失恋をした――
その日の私はひたすらに泣き続けた。
「私って、かっこ悪いなあ……」
声が枯れるまで
「うっ……ううう……こんなに好き……なのに」
全て終わったのだ。
私の初恋は呆気なく終わりを迎えた。
朝まで泣き続けた。
涙が枯れるまで――
けれど私は諦めきれなかった。
これでやっと私のことは認知して貰えた。
チャンスが0%なわけじゃない!むしろこれからが本番だ!頑張ろう……!
絶対に振り向かせてやる……!
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