Review 後輩ちゃんと先輩くん
「──おーほっほっほっ‼︎ おセンパイに贈り物がございますわ!」
「ハッハッハッ! どんなのくれるのか楽しみだな! けれどお嬢様ちゃんからだったらどんな物でも嬉しいな!」
「こちら、おハーブですわ!」
「おハーブ! ちょうど欲しかったところだ! ……って、その辺に生えてる雑草じゃないか!」
「仕方ないですわ。いきなりお嬢様ちゃんからプレゼントが欲しいと言われましても、ワタクシのアルバイトに向かってる道中、何も用意できるわけがないですもの」
「いやぁ、それはすまないな〜。って、お嬢様ちゃんもバイトするのか」
「社会勉強ですわ! では、アルバイト先に着きましたので、ここまでで結構です。ありがとうございましたわ」
「おう。じゃあ、先に家、あ、じゃなくて屋敷に帰ってるよ。バイト頑張れよなお嬢様ちゃん!」
「……ええ。もちろんですわ」
**
「ただいまー」
「おー、おかえりー」
「はぁ、変なのがルーレットに当たってしまいましたね」
「かなり癖強かったな」
「先輩がルーレットに入れましたよね。外であのキャラするのはかなり恥ずかしかったんですけど」
「そもそもあのルーレットを作ったのは後輩じゃないか。まさか色々なキャラクターを演じてみたいと申し出るとは、根っからの女優だな」
「まぁ、案外楽しかったですし。って、演劇部なのに演劇活動してないからこうなるんですよ」
「来年は後輩をたくさん入れないといけないな!」
「……いや、別にそれはどっちでもいいんですけど」
「ツンデレちゃんか!」
「……っ! そういう空気読めないとこですよ!」
「なんだと⁉︎」
「ったくもう……先輩に付き合えるのは私だけですね」
「実際付き合ったからな」
「わざわざ口に出さないでください」
「次はどれが当たるだろうか……」
「ちょ、勝手にルーレット回さないでくださいよ」
「メンヘラちゃんだ!」
「──ねぇ、いっつも勝手に決めるよね。そういうこと。私の意見なんか無視するんだ無視するといえば最近返信も遅いよね?私先輩が連絡くれたらすぐに返してるのにどうして私だけこんな辛い目に遭わないといけないの?」
「ぐっ……なかなか重いことを早口で言うのだなメンヘラちゃんは……」
「私の知らないところで女と会ってるんでしょそんな裏切ることするならさ、もうずっと私のそばにいて」
「メンヘラちゃん……すまん、俺が悪かった」
「ほんと? じゃあ、これ」
「む……これは……」
「足枷」
「監禁する気だ⁉︎」
「ふふふ……」
「もうヤンデレちゃんでは⁉︎ ルーレットだ! ぶりっ子ちゃんだ!」
「──も〜、センパイったら〜、こーんなかわいいわたしのこと嫌いなんですか〜?」
「いや、そんなはずあるわけないだろ」
「じゃあ〜、好きって言ってください」
「ぬっ⁉︎ え、えーっと」
「ぷんぷん! 怒っちゃいますよ!」
「……好きだぞ、後輩」
「ふふ〜ん。やっと言ってくれましたね〜。ま、わたしはかわいいんだから当然ですけどね。えっへん!」
「そうだな。後輩がかわいいのは既に知っていたことだからな」
「えへへ〜」
「よぉーし! さて次は──」
「──先輩待ってください」
「ん? どうした?」
「いつになったら、私のことを名前で呼んでくれるんですか?」
「えっ⁉︎ 後輩の下の名前……?」
「え、知らないとかないですよね、うわぁ……」
「いや! 知ってるぞ! 知ってるに決まってるだろ! ……っ。そ、そうだな……、改めて言うとなると恥ずかしいな……。
「ふふっ、名前呼ぶだけで照れるなんて、どんだけ緊張しいなんですか、もう……
ハーレムプラクティス 杜侍音 @nekousagi
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