第99話 できたぜブッセ

「シャーナ様…… このレシピだけでは私には無理です」


 デレクは困ったように涙目でこちらを見る。


 ほらやっぱり

 言うと思ったよ

 ハンサムイケメンはこれだからな

 なんでも許されると思ってんだよ


 だがしかーし!

 それは私が許さん!


「大丈夫よ! 私がちゃんと教えてあげるから!」

「え? 本当ですか? でも僕にもできるでしょうか?」

「大丈夫よ! デレクはやれば出来る子なんだから! 私が教えるわよ」

「わかりました。ではお願いします」


 ここまで来て食べられないという選択肢は私にはない!


 えーっと、小麦粉に卵に砂糖に片栗粉……


 う~ん、とりあえず小麦粉と卵と砂糖は大丈夫。


 で、片栗粉。


 片栗粉ってなんだ?


 お母さんに聞いてみるとなんでもポテトをすって搾って乾燥させたものらしい。

 なるほどわからん


 そう思っているとポテトを切った時に包丁に残る白いものを粉にした物だって。


 なんだ簡単じゃん!


 じゃこれはセアラに任せよう。

 どうせこれからも使うだろうからポテト大量に渡して作らせちゃおう。


 しばらくすると最初の片栗粉が出来上がったので、さっそくブッセの試作を開始する。


 まずは卵を割ってボウルに割りいれ、塩を入れてかき混ぜ、牛乳も入れさらによく混ぜる。


 そこに砂糖を加え、ダマにならないようしっかり混ぜ合わせ、先程作ったメレンゲを少しずつ加えて混ぜ合わせ、更に加える。


 今度は粉砂糖を加えてざっくり混ぜ合わせる。


 次にふるった粉類をさっきの生地に加え手早く混ぜ合わせて行く。


 混ざったら最後にヘラで切るように伸ばして行き丸く整える。


 後はオーブン鉄板の上に置いて170°Cに余熱したオーブンで11〜13分で焼けば出来上がりだね。


 ちなみに今回はオーブンの予熱をせずに鉄板を温めてからブッセを入れたので時間短縮になっているよ。

 焼き上がったのを確認して取り出してみると、なかなか美味しそうなブッセが出来上がっていたので皆に配ってみる。


 さあ食べよう!


 うっまあ~

 美味しいいい!!!


 これまで名物だったのにずっと食べられなかった街の人たちは涙を流して喜んでいる。

 子どもたちの中にはこのお菓子を初めて食べたという子どももいた。


「デレク! これすごくおいしいよ! サクふわで甘すぎず、それでいて軽い! こんなの食べた事ないよ! すごいよ! この国に来て良かったよ! 最高だよ!」


 あまりのおいしさに思わず叫んでしまった。


「よし、んじゃあ成功って事で、大量に作りまくるよ、みんな!」


「「「「「おおーーーーー!!」」」」



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シャーナ今年初投稿になります。


こちらの作品は整合性など全く考慮していませんのでなんでやねん!という事が多々あります。


読んでいただいた皆様、

本当にありがとうございます!!


今年もよろしくお願いします!


UD

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