第50話 ちょっと! 危ないよ!!
翌日
あきらめきれない
どうしてもあきらめられない
もうすぐ他の地域に行かなきゃいけない
その前に… どうしても
食べたいんです、キノコ!!
「というわけなんだよ!」
「はあ……」
私は、目の前にいるタミコに相談をしていた。
「なにか知恵を貸してくれないかい? タミコさんやあああああ」
「うーん、難しいですね。」
彼女も悩んでいるようだ。
「そもそも、なんでそんなにキノコを食べたがるんですか? シャーナ様って、普段、あんまり好き嫌いとか言わないじゃないですか。」
「うん、そうなんだけどさ。
この前、村に立ち寄った時にね、村人達が、今年の収穫が少ないせいで、ほとんどキノコが残っていなかったんだよ。
それを聞いたら無性にキノコが食べたくなって… もう我慢できないんだ!!」
「そうですか……
うーん……
あっ、そういえば……」
「おっ、何か思いついたのかい?」
「はい、そういえば、最近、森の様子がおかしいみたいなんです。」
「どういう事だい?」
「はい、実は、少し前までは魔物の被害が結構あったらしいのですが、最近はめっきり減ってしまったらしくて……
それに……」
「それに?」
「はい、そのかわり、見たことのないような大きな動物を見たという噂をよく聞くようになったのですよ。」
「へー、それは気になるね。 で? それがキノコと何の関係が?」
「大きな動物が出はじめて魔物も人も森に近づいていないということは…」
「なるほど! つまり、その動物の縄張りの中にキノコがあるかもしれないってこと?」
「はい、可能性はあります。」
「よし、早速行ってみよう。案内してくれる?」
「はい、わかりました。セアラさんにも伝えて体制を整えてから出かけましょう」
私はセアラ、タミコに連れられて森の中に入った。もちろん木の精霊アンドリュー、フォレストコッコの赤ちゃんのピアラちゃんも一緒だ。
しばらく歩くと、だんだん霧が出てきた。
視界が悪くなってきたなあ。
すると、突然、木の上にいたアンドリューとピエタちゃんが大きな声で鳴き始めた。
ピヨッピヨッ ピヨッピーッ! どうしたのだろう? アンドリューの方を見てみると、その先には巨大な生き物がいた。
なっ、なんだあれ?!
あんなに大きな牛、初めて見たよお!!
ってかきったない!!
ものすごく汚れてる…
なんであんなに毛が長いの??
その毛が汚れてひどいことになってるじゃん!!
しかもなんか臭いし!!
っていうか、目が合った!
ヤバイ、このままじゃ殺されるう!!
私が恐怖で固まっていると、急にアンドリューが私の腕から飛び出していった。
巨大な生き物に向かって飛んでいったのだ。
ちょっと!
危ないよ!!
私は心配になってアンドリューを目で追っていた。
すると、なんと、その生き物がアンドリューを捕まえてしまった。
なっ、なんじゃそりゃー!!
アンドリューは必死に逃げようとしているのだが、全く歯が立たない様子だった。
さらに悪いことに、その生物は大きな口を開けて、アンドリューを飲み込もうとしていた。
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