第48話 だって、ほら、これ、カッビーキラー

 翌日、私たちは一通り村を回ることにした。おじいちゃんたちがどんな力があるかわかんないから村を回ってみたら? みたいなことを言ってたのでまあそんなもんかと思った次第。

 で、教会に行ってみることになったのだが…………


 何ここ?

 めっちゃボロっちぃんですけど!!

 しかも、なんか暗いよ??

 教会の中は薄暗くて、埃っぽくてカビ臭い。

 床板も所々腐っていて危ないので、気をつけて歩かないと怪我をしそうである。

 おじいちゃんたちは平然と歩いているが、この教会はもう限界のように見える。

 本当に大丈夫なのだろうか?

 心配になってきてしまう。

 祭壇に近づいてみると、そこには十字架があった。

 そして、その下にはなぜか本棚のような物が置かれている。

 何だこれ?

 私は本棚に近寄って調べてみた。

 

 ん?

 本?

 

 本棚を開けると、中にはぎっしりと色々な本が詰まっている。

 

 これは……

 古くなってだいぶカビでますなあ……

 

 私は恐る恐る触ってみた。

 

 ぬおっ!

 指先がピリっとしたぞ!

 ちょっと待って!

 何この感電するような感じ……

 

 ひょっとして、これは危険なものなのでは……

 

 私は慎重に取り出してみることにした。

 まずは一番上の本から……

 表紙をめくると、びっしり文字が書かれている。

 

 なにこれ?

 

 私はページをパラパラと捲ってみた。だめだ、カビてて読めない……

 うーん、この本は使えないなあ。

 他の本はどうかな?

 同じようにして読んでみるが、どれもこれもカビていて、ほとんど読み取れない。

 かろうじて読める部分もあるけれど、全然意味がわからない。

 

 くぅぅぅぅぅぅぅぅ!!

 

 私の目の前に本がある。


 本があるのに読めないとわ!!

 なんたることだ!


 私は手を前に突き出して 『なんとかしろおおおおお!』 と念じてみた。

 すると、なんだか胸が熱くなってきた?

 

 え?

 お?

 あれ?

 

 胸のペンダントが光始める


 ぬおおおおおお!!!

 まぶしいいいいい!!


 あ

 ああ…

 こういうことね…


 私は悟った。

 つまり、私が触れたものは何でも浄化できるらしい。

 

 なんかすごい能力だ

 

 私はペンダントに触れて、本の汚れを落としていくイメージを浮かべた。

 

 よし!

 うまくいった!

 本の表紙が綺麗になっている。

 おお!

 すげー!

 どんどんやってみよう!

 調子に乗って全部の本をピカピカにしてやったぜ!

 いやあ、気持ちよかった!

 でもさすがに疲れたなあ……

 ふい〜 しばらく休憩していよう


 しかし、この教会には本がいっぱいあるね。どれを読んでみようかな?

 私は適当に手にとって、開いてみた。

 

 うへぇ!

 カビてるよ!

 でも気にしない!

 だって、ほら、これ、カッビキラー!

 私は嬉しくなってきて、次々に手に取り、ページを開いていく。

 

 おお!

 これは…

 私はすっかり本に夢中になってしまった。


 いやあ、面白かった!

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