第39話 ひゃっほーーーい!!

 3日後、ついに出発の時が来た!


 見送りは領主のレオシュ様、執事長のクレートさん、メイドさんたち、料理長カーゴさんが来てくれた。まあお屋敷で働いてる人の大半が来てくれてるね、ってフォレストコッコさん一同も来てくれてる!!


 ありがたい。

 すると厨房の裏手からデレクが走ってくる。

 どう見ても旅装


 あれ?

 えっと、なんで?


 レオシュ様に聞くと、どうせ止めても行くんだろうから同行を頼むことにしたとのこと。


 あ、はい

 バレてるんですね

 デレクさんや


 ということで、旅に同行するのは、アンドリュー、セアラ、タミコ、そしてデレクの4名ということになった。

 まあそもそもタミコだけでは料理を作るのに人手が足りないしね


 しっかし荷物が多い

 多すぎる


 二頭引きの幌馬車での出発なんだけど、鍋やなんやの調理器具だけで結構な領だったりする。


 それでも、野菜類を運ばなくて済むというだけでずいぶん違ってるみたいなんだけどね


 まあ私は本を持っていければそれでいいんだけど


 あ、ちなみに御者はセアラとタミコが交代で行いながらデレクに覚えていってもらうんだって


 がんばれよ、デレク


 護衛はアンドリューもいるしセアラだけでも十分強いのでこれ以上は必要なし。


 助かるよ、アンドリュー、セアラ


 そして普段の生活の支援はタミコが行う。

 普段は声ちっちゃいけどやる時はやる女だな、タミコ


 まあ私もいつも本を読んでいてなにも他人のことは言えないんだけどさ。

 出発前にもう一度レオシュ様のところに行く。


 「レオシュ様、では行ってまいります!」


 「シャーナ、ちょっといいかい。君に渡すものがあるんだ」


 ん?


 「はい、なんでしょう?」


 通行証とか書状とかめんどくさいやつはセアラに渡すように言ってたんだけどな?


「これだよ、君に持っておいてもらいたくてね」


 レオシュ様が取り出したのは茶色いバッグだった。


 なにこれ?

 ちょっと薄汚れて見えるよ?


 あ、私は見た目で判断はしないよ、できる女だからね

 なんだか久しぶり


「レオシュ様、これはマジックバック?」

「ああ、マジックバッグだよ。今回はこちらの容量の大きなものを持っていってもらおうと思うんだ」


 あ~マジックバッグね


 え!

 マジックバッグってあのマジックバッグ???

 前回とは違って容量が大きいとな?


 うっひょーーーーーーー!!!


 こんな貴重品どうしちゃったの?

 くれんの?

 まじで?

 ひゃっほーーーーーい!!


 祭りじゃああああああ!

 脳内で神輿が祭りじゃああああー!!!!


 「え? こんな貴重なものを?」


 っふ、すまして言うのだよ、こういう時は!!


「ああ、これは我が家に代々伝わるものでね。今回の旅には必要だと思って、君に預けようと思う。使用者の変更は済ませてあるからね」


 なんだろう、根が金持ちなのか?

 こんなもんポンポン渡していいもんじゃないんだけど


 ま、いっか

 くれるっていうならもらっときますよ!

 遠慮なんてしません!


 さてそれでは!! 出発だあ!!

 声出していくぞお!!

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