第38話 豆なのか!!
それにしてもでかい鶏舎だこと。
まだ基礎部分しか作られていないがかなりな広さになる事が予想されるわ。
うへぇ、いっぱいいるねえ。
なんか最初より多い気がするんだけど気のせい?
まあいいや、さっさと済ませちゃおう
「こんにちはー コッコさんたちー。今日はちょっと話があるんだけどー」
「ピヨピヨー」「ピーッ」「コー」「コッコ」「コッコーーー!!」
「あ、はいはい。ちゃんと順番に聞くから慌てないで。みんな美味しい卵をありがとう! ほんっとうにありがとうね。でね。要件なんだけど、私ね、3日後に領の中を回る旅にでるの。来てもらってすぐで申し訳ないんだけど、しばらく留守にするのでそのあいさつに来たのよ」
「ピヨピヨー」「コー」「コッコ」「ピーッ」「コー」「コッコ」「コッコーーー!!」「コー」「コッコ」
はいはい
わからないよ
うんでもまあ伝わったような気はする。
アンドリュー、あとは任せた!
そういうとアンドリューはフォレストコッコのほうにフワフワ飛んで行った。
楽しそうにお話してるわ
ま、なにより
しばらくアンドリューたちが楽しそうに話してる姿を眺めているとアンドリューが戻ってきた。
「リフ! リフリフ!! リフリー…」
うん、楽しかったのね
よかったね、アンドリュー
「あ、そうだ。コッコさんたちのごはんなんだけどね、今はアンドリューがいるから心配ないみたいなんだけど、私たちが旅に出てからのことは館の料理長のカーゴさんって人に頼んでおくから! まあ今の在庫がなくなる前には帰ってくるつもりだけど、一応ね」
「ピヨピヨー」「コー」「コッコ」「ピーッ」「コー」「コッコ」「コッコーーー!!」「コー」「コッコ」「コッコ!! コッコ!」
全員で応えなくてもさ
まあ嬉しいけど
うれしいんだけど
うっさい!!
ひとしきり静かになったところで
「アンドリュー。コッコさんたちのために何か育てておこうか?」
そう聞いてみると
「リーーーーフ!!」
よし
んじゃやってみようか!
畑の作物を育てた要領で森の入り口に私とアンドリューが立つ。
両手を広げて
(アンドリュー、力を貸して!!)
するとアンドリューが私の周りをフワフワと飛び回り、緑の光の輪が私を中心に広がっていく。しばらくすると、地面から蔓が伸びてくる。
ん? なんだこれ?
と思っていると蔓のあちこちから白い花が咲き始めそれが落ちるとぷっくらした実がなった。
なんじゃこりゃ?
実のなった房を開いてみると、豆!
豆なのか!!
相変わらずすごいね、アンドリュー。
森の入り口のあちこちに豆のつる草が育っている。これでもう大丈夫かな?
カーゴさんに言っておこう。
「それじゃよろしくね! また帰ってくるから。いってきます! 3日後だけど!」
「ピッピヨッ!(いってらっしゃい)」
え?
今返事が聞こえなかった?
まさかね
そんなはずはないよね?
「リーフ? リーフ?」
「ああ、ごめんごめん。ちょっとぼーっと。そうだよね、気のせいね」
さて、部屋に戻って荷作りでもするか!
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