第29話 卵じゃん!

 翌日、またしてもレオシュ様の執務室


「昨日のフォレストコッコについて釈明はあるかい?」


 レオシュ様、目が怖いです。

 イケメンってなんで怒ると目だけが殺し屋になるんだろう?


「聞いてるの? シャーナ?」


 ニコニコしてるのは口だけで目が怖いよお


「あ、はい! もちろんです! レオシュ様! ただ、聞いていただきたいんですが。森でコッコと話したのはアンドリューで、その後の事もアンドリューの責任と申しますか、なんと言いますか」


「ほう。そのアンドリューの責任者はいったい誰なんだい? シャーナ」


「もちろんわたくしめにございます!!!」


「と、いうことはアンドリューのしでかしたことは君の監督下での出来事なわけだよね? 僕、何か間違ってるかな?」


 笑顔が怖いーーーー!!!


「いえ、滅相もありません!! レオシュ様は何にも間違っておりません!!」


「そう、良かった。じゃあこの始末はシャーナがつけてくれる、ってことでいいんだよね?」


「はい! もちろんでございます!! さっそく! さっそくに動きたいと思います! それでは! 私めはこれで!!!!」


 にげろーーーーーーーーー!


 あかん、あの目は本気や……


 レオシュ様は怒らせるとマジでヤバい


 昨日、フォレストコッコたちが館にやってきた結果、住処を提供することになったのよ。


 え?

 どういうことか?

 私が知りたいよ。ほんと、アンドリューのニコニコ笑顔には要注意だわ。で、コッコたちはとりあえず館の裏の森に面した場所で一時過ごしてもらうことで落ち着いたんだけど。そりゃまあ魔物が大挙して館を襲いはじめたと思った兵士や領民が大騒ぎだったのよ。


 

 とりあえず、まずはアンドリューを探さないと。


 早く何とかしないとな

 どこにいるんだ?!


 アンドリューめ

 すぐに見つけ出してやるから


 覚悟しろ!!


 アンドリューはすぐ見つかった。厨房にいるようだ。


 よしよし、今行くぞ!

 アンドリュー!



 そして、厨房に行くとそこにはカーゴさんが居た。


 お?

 珍しい組み合わせだね。

 

 何やってんだ?

 アンドリュー、カーゴさん。


 ん?

 何それ?

 白い楕円???

 


 アンドリューが、これ見て!!

 という感じで私を指差す。

 

 まあ、確かに見ろとは言ってるが……

 

 うん?

 なになに?

 

 これって卵じゃん!

 おお、これフォレストコッコの卵か!


 これはアンドリューが採ってきたの?


 ふむ

 とってきて大丈夫なの?


「ああ、お嬢。その卵なら大丈夫だぜ」


「え?! そうなの?」


 アンドリューを見ると胸を張ってドヤ顔している。


 どうした?

 何かあったの?


「昨日の騒ぎのあと、俺達が館の裏に行くとなこの卵が置いてあったんだよ。まあ、フォレストコッコが産んだんだろうけどな。それをアンドリューがコッコたちと話して持って帰ってきたのさ」

 

 ほー

 なんかすごいね、アンドリュー。

 

 偉いぞ!

 えらいのか?


「それで、これから一緒に卵を使った料理を考えようと思ってな。ちょうどお嬢が来たし、意見を聞きたかったんだ」


なにそれ?


卵でお料理とな?

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