第28話 ~ブイヨン~
さて、この後は、セアラと報酬の相談だな。アンドリューの分は私が預かっておいて何か好きなものが出たときに買ってあげよう。
厨房に戻って解体中のセアラに報酬の話をすると自分は護衛なのでそんなものは受け取るわけにはいかないと固辞された。
そんなもんなのか?
わからん
まあいらないって言うことなのでアンドリューと同じ扱いでいいか。魔物倒したのはセアラだしな。
うん、そうしよう。
夕食はシェフ二人が写し取ったレシピで再現したキャロッテスープとボアの干し肉だった。キャロッテスープは朝作ったものとは比べ物にならないくらい美味しかった。カーゴさんに聞くと今朝鍋で野菜を放り込んで煮たスープで作成したそうな。
ブイヨンか!
これがブイヨンというやつか!!
なので、カーゴさんにこっそり肉や骨もブイヨンになる事を伝え、作り方を教えておく。
作りたきゃ勝手に作るでしょ?
ってか美味しいもののためにいつやるの?
今でしょ?
って言っといた。
作り方は超簡単
~ブイヨン~
鍋に野菜くずと魔獣の骨やスジを入れ、水を加える。
鍋を強火にかけ、沸騰したら中火にして煮込む。途中数回あく取りをする。
ザルで濾したら出来上がり
これを伝えると半信半疑だったが、すでに野菜だけのブイヨンでおいしさは実証されているためカーゴさんとデレクさんは作るしかないと思ったようだ。
「あ、ちなみに出来上がったブイヨンを使ったスープをコンソメって言うんだってさ、知らんけど」
「お嬢。お前、おいしいものを食べるには苦労しないといけないんだぞ」
なんだよ?
苦労したじゃないか!!
魔物を狩りに行ったのは誰だい?
そういうと、セアラとアンドリューだろ?
という答えが返ってきたのでブチ切れてやった!!
フンっ!!
私を怒らせたら新しい料理が食べられないんだからな!!
そういうと、その料理は誰が作るんだ?
と返されたぜ
くそう
しょんぼりだよ!
ふと見ると、アンドリューが私の横でニコニコ笑っている。
「アンドリュー。どうしたの? 楽しそうね?」
「リーッフ。リフリフ、リフリフリフ!!」
うん、相変わらずわからんが何かを伝えたいようだ。
その時、館の屋根の上から轟音が鳴り響く。
なんだなんだ?!
とりあえず外に出て確認だ!
すると、館の屋根の上に鳥の魔物が十数匹とまって鳴いている。
なんじゃこりゃ?
攻めてきたのか?
レオシュ様もクレートさんとやってきている。
魔物の名前はフォレストコッコというらしい。見た目でっかい鳥だな。1メートルくらいありそう。色は茶色っぽい灰色。嘴は黄色くて鋭い。かなり大きい。羽を広げた状態で2メートルほどある。
なんだろう、こっちに向かってくるじゃないか!
セアラが抜刀し前に出る。
先頭のフォレストコッコの目つきがやばい
やる気か?
ん?
あれ?
コッコが跪いてる?
いや跪けるの?
え?
「あ! アンドリュー! 危ないから!! こら!」
コッコに近づいて挨拶? してる。
「リー! リーフ!! リフリフ」
「コッコ!! コッ! コッコッコ!!」
「リー。リリリーフ」
しばらく会話が続く
アンドリューがこちらの方に振り向くとにっこり笑顔で私の肩に乗る。
すると私に向かってコッコが一斉に跪いてくる。
こ
コ
コッコー?!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます