第15話 ~パンプキスープ~

 気を取り直して!!


 フライパンに薄く油をひいて火にかける。

 そこに薄くスライスしたオニオーを投入。オニオーがしんなりしてきたらそこにお水を器に2杯

(この辺りはテキトーでいくしかない)

 器に2杯ってどんな器かによって量が変わるじゃないか!!

 これ書いた人、そこら辺はどうお考えですかね?


 まあいいや。


 水を注いだらそこにパンプキを適量投入する。


(適量とは…)


 塩を味を見ながら入れ、パンプキを潰すようにかき混ぜながら弱火でぐつぐつ煮ていく。


「なんか、どろどろの液体に」


「シャーナ様。俺も思ってますけど口には出さないのがお約束ですよ」


 誰とのだよ


「うーん、まあとりあえずこんな感じなんだけど。あとは、ミルク。ミルクってある?」


「え? ミルク? 急に言われてもないですよお」


 っち、使えねえなあ


「シャーナ様が何を言いたいのかわかるようになってきた気がする」


「あぁん? なんか文句あんの?」


 ミルクないのかぁ、残念。どうしようかなあ。


 バタンッ!


 厨房の扉が開く。


 お?

 なんか、いかついおっちゃんが現れた!


 と思ったらデレクさんの背筋が伸びて直立不動になってる。


「お帰りなさい、シェフ。 こちらが」


 ギロリと睨んでくるおっちゃん。


 デレクさんがシェフって呼んだってことはここの料理長さんなんだよね、このおっちゃん。


 わかっている、みなまで言うな。こんな時できる女のやることは決まっている!


「はじめまして、シェフ。私はシャーナ・ホープ。レオシュ様から料理を作るよう」


 ニコッ


「おう。聞いてるぜ。お嬢ちゃん」


 再びギロリと睨みつけられる。


 あれ?

 間違ったのか?


 そうか、笑顔成分が足りなかったか。

 おっちゃん、いかつい顔してカワイイ好きか!


 ここはにっこりと微笑みを浮かべて挨拶だったか、わるいわるい。


 ニコッ


 あれ?

 足りないの?


 ニコッ


「おい、デレク。この嬢ちゃんはなにやってんだ?」


「さあ? 私もつい先程初めてお話をさせていただいたのでよくわかりませんが、おそらく、たぶん、なんか悪い物でも食べたのではないかと」


 ちげえよ!

 笑顔で挨拶だよ。


「コホン。改めて。シェフ、よろしくお願いします。」


「お、おう。何事もなかったように挨拶されちまった。まあよろしくな。おれぁかしこまった言葉なんて使えねえからそこらへんは勘弁してくれ」


「ええ、もちろん。なんの問題もありませんよ、あ、シェフ、とお呼びすればよろしいですか?」


「あぁ。ここの奴らはシェフとか師匠とかまあ好きに呼んでるからな、好きに呼びゃあいいぜ、名前はカーゴだ。」


「ありがとうございます。カーゴシェフ」


「ところでこりゃあ何だ? このどろどろの液体は? これは食い物か?」


 初対面で失礼だぞ、シェフ。

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