第31話 遠くまで

こんなに遠くまで来るつもりはなかった。夢の端で、ぼやけた部分を観察し、葉っぱを裏返して歩いただけ。知らない誰かの夢に入り込むなんて思わない。海を歌い泳ぐ鯨、空を切り飛ぶ隼、大気圏で燃え尽きる星々の叫び。生まれた時の記憶、細胞のうめき。私、誰だっけ? 誰かに呼ばれ、私は目を覚ます。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

終わらない日々の物語 せらひかり @hswelt

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ