第30話 握手

握手を求められた。特に何もしていないが、物珍しさからだろう。よくあることだ。「君の優しさに敬意を払ってるのさ」友人は言う。「悪夢や厄災を、竜の炎で焼き払ってるじゃないか」目の前を妙なものがうろうろするのが気に食わないだけだ。人の為ではない。友人は笑って、美味そうに盃を傾けていた。

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