第4話 お出掛けにて

 やぁ、突然だがみんなは出掛けたりするのは好きかい?


 俺? 俺は好きだよ。特に用事がなくても、とりあえず出掛けてみるくらいだ。


 今日もあてもなく出掛けて、今バスに乗って今度何処かに旅行にでも行こうかな? と考えているところだ。


 まぁその前に今日はどこまで行くのか全然分からないんだけどね。


 えっ? もう予想ついたって?


 多分みんなの考えてる通りだ。


 そうだな、行き先はこのバスジャック犯に聞いてくれ。


 えっ? 何でそんなに落ち着いてるんだって?


 まぁ、よくある事だろ? それにバスジャック犯も殺す気はないだろう。自分の要求を通す為に人質が欲しいだけなんだから。


 ん? 犯人は何を持ってるかって?


 チェーンソーだな。さっきから音がうるさいんだ。


 殺す気満々だって? まぁ要求的に大丈夫だろう。それに犯人はまだ誰も傷つけてない。しかし、何でチェーンソーなんだろうな。結構重そうだし違うのなかったんだろうか?


 えっ? 犯人は何を要求してるのかって?


 『何故、世界は平和にならないんだ。国の偉い奴を連れて来い』だそうだ。


 言ってる事とやってる事矛盾してるよな? 


 いい奴なのか悪い奴なのか分からなくなってくるよ。


 ん? 今日はお姉さんのパンツ見てないのかって?


 何だ? みんなパンツの方を期待してるのか?


 それなら俺の前に座ってるお姉さんがセクシーな赤パンツだったぞ?


 いつ見たのかって?


 お姉さんがバスに乗る時スカートがふわりとなったんだよ。運がいいと思わないか?


 えっ? もしかしてパンツ見る為に出掛けてるのかって?


 それは誤解だな。出掛けるのが好きなだけだ。それに運のいい俺でもいつも見れるわけじゃないぞ? せいぜい8割が限度かな。


 まぁそれはいいとして、バスはずっと走ってるんだけど俺達帰りはどうしたらいいんだろうな? このバスで送ってくれると思うか?


 その前に命の心配しとけって?


 みんな優しいな。まぁ俺なら大丈夫だ。

 何故なら運がいいからな。


 おっと! そんな事を話してたら前の赤パンツのお姉さんが耐えきれなくなったのか泣き出してしまった。


 バスジャック犯が『うるせぇ、黙れ』と叫んだがそれで赤パンツのお姉さんが泣き止むはずがない。


 イライラしたバスジャック犯がこっちにやってくる。


 これはマズイ。 仕方ない突撃しよう。


 危ないから止めろって?


 おいおい、赤パンツのお姉さんのピンチだぞ? 男なら命を賭けなければならない時だ。


 俺は勢いよく飛び出した。


 その瞬間、犯人のチェーンソーの燃料が切れたみたいでチェーンソーのエンジンが止まった。


 それと同時にバスの運転手もこちらの様子が気になり赤信号に気付くのが遅れて急ブレーキをかけた。


 それによりバスジャック犯は体制を崩した。


 勿論、俺も勢いよく飛び出した上に体制を崩した。


 止まれるはずも無くそのまま突っ込んでいって俺の右手がバスジャック犯の顔面にクリーンヒットしてバスジャック犯は気絶してしまった。


 俺はというと何処も怪我をしてない。


 バスはすぐに停車してこのバスを追跡していた警察に捕まった。みんな無事でなによりだ。


 帰りはこのバスがちゃんと近くまで送ってくれてバス代もタダだ。


 それにバスに乗ってた乗客みんなに感謝され菓子折りを沢山貰った。


 結果、バス代はタダになり赤パンツを見れた上に菓子折りがいっぱいだ。


 やはり俺は運がいい。

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巻き込まれ体質だがそれが何か? 閃華 @terea-rich-r

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