第9話 俺だけを信じて…〜 誰にも渡さない 〜
あれから私達の関係は
相変わらずで何度も関係を持った
正直私は利用されてるかもしれない
都合の良い女かもしれない
だけど……
もしこれで他の女性(ひと)と
関係をもっていないなら
そう思っていた
本当の所は分からないけど
私は………
そう信じたい……
ある日の夜。
スッと背後から抱きしめる光河。
ドキン
「…光河…?」
首筋にキスをしながら私の身体を優しく触れながら
「抱きたい…」
ドキン
「駄目…?」
「…それは…」
「駄目なら無理しない。いつも求めてくるから良い気しないんだよね」
離れ始める光河を引き止める。
「…愛…?」
「確かに…そうだよ。でも、それで他の女の人と関係持っていないって、そう思いたいし…信じたいから…」
「…愛…」
私は光河にキスをする。
「良いよ…光河が…何処にも行かないように私は…引き止めたいから…」
私達は1つになる。
「愛…まだ…不安?」
私の様子を伺うように関係を持ちながら、お互いの吐息を感じながら至近距離で話す。
「それは…」
「無理もないか…」
光河は、私の胸に顔を埋める。
「…こ…う…が…?」
「何…?」
私の身体に何度も熱が貫き、今までにない感覚を感じた瞬間に私は光河をぎゅうっと抱きしめる。
「…愛…」
「…光河…」
今――――
“愛してる…”
そう言われた気がした……
私達は眠りに入った。
ある日の事。
「もうどれくらいの月日が経っているのかな?お母様達、元気してるかな?」
《きっと驚くだろうな…》
《男の人と一緒でしかも関係持っているなんて…》
《あれから何度寝ただろう?》
「…ぃ…あ…い…」
《だけどやっぱり遊んでるから…キスも上手だしHも…》
《ヤバイ…私…光河に身も心も奪われてる!!》
「愛ちゃーーん」
ドキーーッ
「きゃあああっ!」
「大丈夫?心ここにあらず?他の男の事でも考えてた?」
「他の男…!?いないから!光河以外いるわけ…っ!」
キスで唇が塞がれる。
「それなら良かった」
「だいたい、光河、私の事…っ!」
再びキスをされ、深いキスをされた。
「…………」
吐息が洩れる。
グイッと抱きしめられる。
「…愛…可愛い♪」
かああああ〜っ!
「もうっ!また、そうやって…っ!」
キスされた。
「愛は、誰にも渡さないよ!」
ドキン
嬉しいけど、本心なのか分からない。
「愛。俺も一緒なら外、出れる?」
「えっ…?」
「外に出ないと体に悪いよ」
「…そう…だけど…」
ある日の夜。
そして、私達は町に出る。
お酒を飲み、ほろ酔いの光河。
グイッ
私の腕を掴み引き寄せる。
ドキン
キスをする光河。
「ちょ、ちょっと…ここ店…」
「…愛を抱きたい…」
ドキン…
そう耳元で囁かれ、言葉を続ける。
「宿で続きしよう…」
そう言われた。
私達は店を後に宿に戻る。
「光河…でも酔ってる…」
「酔ってるから、Hな気分になるんだよ。他の女性(ひと)よりも、俺の事を愛してくれてる女性(ひと)を気持ちよくさせる事が出来るから。もちろん俺も♪」
かああああ〜っ!
「こ、光河…そんなストレートに…」
光河は、キスをすると、洋服を脱がし、更に進めていく。
「愛…は…俺だけの女…誰にも…渡さない…」
涙がこぼれ落ちる中、一気に私の身体を熱が貫き、私は今までにない声が出てしまった。
かああああ〜っ!
例え身体だけの関係でも良い。
それでも……
「………………」
《は、恥ずかしい…》
私は両手で顔を覆う。
「もっと愛の全部(すべて)見せて…」
「こ、光河…良くそんな恥ずかしい事…」
光河は、いつになく優しく接する。
《こんな光河…初めて見る…》
私は光河を見つめる。
「何…?」
私は光河の両頬を優しく包み込むように触れる。
「…愛…?」
私は光河にキスをすると、抱きしめた。
「光河…好き…」
「…愛…反則…!…つーか…日に日に愛…綺麗になっていくから…」
「えっ…?」
「愛と…もっと早く出逢ってれば…愛を傷つける事も、悲しませる事なかったのにな…」
私は泣きそうになった。
「大丈夫。私達は…結ばれないはずだから」
「…愛…」
再び私の身体を一気に熱が貫き、声が洩れる。
「………………」
それから、私は戻る事にした。
その途中――――
フラッと体がふらつく。
「愛…?どうかした?」
「う、ううん…大丈……」
気分が悪くなる。
「……っ……ゲホッ…ゲホッ…」
「愛…?」
「ごめん…大丈夫…」
「…愛…もしかして……妊…娠…?」
「えっ…!?ま、待って…妊娠って…」
「愛…俺が前に“愛してる”って言った事気付かなかった?」
「…えっ?…嘘……気のせいじゃなかったんだ……」
「それから、愛を何度も抱いたのは、振り出しに戻りたくないって…愛だけを見ていこうって…ずっと信じてもらえないかもしれないって……でも…愛に答えたかったから…」
「……………」
「両親に何を言われようと、何をされようと俺…愛だけを愛していく。何があっても俺について来てほしい…結婚しよう…愛…」
「…光河…でも…」
「でもという選択肢はないよ。だって、愛のお腹の子の父親…俺だし…」
私は光河の胸に顔を埋めた。
「愛…こんな俺だけど…これからも宜しく…」
「うん……」
私達はキスをした。
その後、私は両親の元へ戻る事にした。
「愛っ!!お前…!」
ビクッ
私は打たれる覚悟で身構えた。
「ちょっと!あなた!」
「離しなさい!」
お父様はお母様が止めに入るも、振り払われ、倒れそうになる所を誰が抱き留めた。
そして再び、私に向かって手が振り上げられ、私は瞳を閉じた。
次の瞬間―――――
「女性に暴力はいけませんよ。旦那様」
「誰だね!?君は!?」
「すみません…申し遅れました。自由奔放に生きて来ていた為、初めてお逢いしますね。湖山 光河と申します。俺の両親が、いつもお世話になっております」
《…光河…えっ…!?どういう事?知り合い?》
「湖山…もしかして…湖山 裕司(ゆうじ)君と里美(さとみ)さんの息子さんか?」
「はい」
「しかし…どうして君が…?」
「彼女と…いいえ。娘さん、愛さんと偶々、旅先でお会いして意気投合して、お付き合いしている最中です」
「そうだったのか…しかし、屋敷を飛び出した挙げ句、ノコノコと帰って来て、私達がどれだけ心配したと思ってんだ!!」
「ご両親が心配するのは当然の事。おっしゃる通りです。しかし、もし愛さんが、行動を起こさなければ、俺達は出逢っていなかった」
「そうよ!あなた!良いじゃないですか?無事に戻って来たんですから。しかも、お付き合いされてる方も連れて帰って来るなんて」
「そこで、折り入って大事な話があります。家族ぐるみで、お食事をしたいと思っています。日を改め、きちんとご挨拶に伺います」
「…光河…」
「それでは失礼致します」
光河は帰って行く。
「光河っ!」
私は後を追う。
「それじゃ、また近々…」
光河が言い終える前に私はキスをした。
一旦、唇が離れ、光河から、私に再びキスをすると、深いキスをする。
名残り惜しむかのように、私は声が洩れた。
かああああ〜っ!
「可愛い♪顔、赤いよ。愛。そんな顔されると帰れなくなるじゃん!」
「もっと一緒にいたい…」
「俺も同じだけど、一回、俺も戻らなきゃ。体、大事にして」
「光河…」
私にキスをする。
「愛。愛してる」
ドキン…
ポンポンと頭する光河。
私達は一旦別れ、日を改めて家族ぐるみで会い、食事会となった。
その日の夜、私達は愛し合う。
朝、目が覚めると、私の隣でスヤスヤ眠っている光河。
私は光河のオデコにキスをした。
「…愛…」
「…ごめん…起こし…」
グイッと抱き寄せ、キスをする光河。
「体、大丈夫?」
「うん…」
「愛、後ろ向いて。お腹に負担かけれないから」
そう言うと、背後から抱きしめ、首筋から背中にかけて口を這わせる。
ゾクゾクする中、私の左手を掴み指を絡めた。
「…えっ…?これ……」
そして私の左手の薬指にキラリと光るものがあった。
「愛…これからもずっと俺の傍にいて。そして、君は俺の永遠の恋人だよ」
「……光河…」
私達は向き合いキスをし、深いキスをした。
〜 E N D 〜
お供します♪ ハル @haru4649
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