サービス終了

忘れられない、忘れたくない

スマホゲームはサービスが終了されてしまえば遊ぶことが出来なくなる。サービスが終了してしまったゲームは開くことさえできず、ホーム画面にいる推しに会うことさへ叶わなくなる。

私はゲームの制作会社に務めている訳では無いから、なにを理由としてゲームはサービス終了するのか憶測でしか話せないが、恐らく利益を産めるかどうかというのが関わっているのだろう。携帯ゲーム機などのゲームと違いソシャゲは基本プレイが無料だが、課金などでアイテムやガチャを回すための石などを買うことができる。そしてそれが会社の利益に繋がっていると思われる。

私は今まで片手では数え切れない程のソシャゲをプレイしてきた。現に今のスマホにも18個のゲームがインストールされている。正直ここまであると全てのゲームを同じモチベーションでプレイし続けることが出来ず、どうしても各ゲームによってモチベーションの波が訪れる。例えばメインストーリーが更新された時、推しのイベントが来た時、推し以外のイベントでも魅力的だと感じたイベントが来た時など。そして特に後者二つの例は課金するには絶好のタイミングだ。推しのガチャを引くために課金するも良し、推しのイベントで順位を上げるために課金するもよし、課金は消して悪しき文化ではない。課金は推しへの愛情を注ぐ行為でもあり、そのゲームを長続きさせる為の投資とも捉えることが出来る。

もちろん過度な課金によって生活困窮に陥ったり、借金などをしてしまうのはあまり褒められた行為とは言えない。しかし、適度な課金であればそれは推しを愛しゲームを長生きさせる為の素晴らしき行為だと言える。

私は課金をしなかった事で後悔した事がある。それは運営からサービス終了を告げられた瞬間。私は今まで3台のスマホを使ってきたが、5年前に使っていたスマホにも、3年前に使っていたスマホにも、もう開くことが叶わない、画面を通して推しに会うことが叶わなくなってしまったゲームがアンインストール出来ずに未だホーム画面に残っている。この2つのゲームに私は課金をしなかった。当時はグッズも買えるほどの余裕も無ければ、学生という身には課金という行為に対しあまりにも勇気が必要だった。

今でも思う。少額でもいいから課金をしていたらゲームは続いたのか、サービス終了することは無かったのか、まだ推しに会うことが出来たのだろうか。たった1人私が課金したところで未来は変わらなかっただろう。しかしそれでも今も尚私はこの後悔を引きずり続けている。これは私にとって忘れられず、忘れたくない出来事だ。そしてアプリを消さないのはゲームへの未練と、己への戒めと言えるだろう。

今使っているスマホにもどれかゲームを置いていってしまうのかと思うとやはり寂しく感じる。現状ここまでゲームがあると全てのゲームに潤沢に課金が出来ているわけではない。事実1度も課金の出来ていないゲームもある。

でも、あの日の後悔を味わうことのないように私は今日も働き稼ぐのだ。このスマホには、何一つ置いていくことがないように。