第190話 『小説ジュニア』と文通
小学生の頃は図書館の本を借りて読むのが大好きな私でしたが、中学生になると本屋さんで見つけた『小説ジュニア』という中高生向けの小説誌が愛読書でした。
毎月発売日になると、地元の本屋さんに買いに行ったものです。
その頃の小説の中で、特に気に入っていた小説家は清純小説を書かれる清川妙さんと大人の階段を登るちょっと官能的な小説を書かれる富島健夫さんでした。
何度も読んでいるうちにすっかりファンになりました。
今でも覚えているタイトルは清川妙さんの『花あんずの詩』『こころはいつもあなたの隣』です。
富島健夫さんは『いのちの旅路』です。
そして、富島健夫さんと言えば代表作でもある『おさな妻』は高校生でありながら妻であり母(子連れの人と結婚)であることが斬新で、テレビドラマ化や映画化もされ当時は話題になりました。
そんな『小説ジュニア』には文通募集のコーナーがありました。
今では個人情報保護法があり信じられないことだと思いますが、各ページの余白欄に、堂々と住所と氏名が掲載されていたのです。
それで私も全国の同じ年頃の人と文通したいなと思って、文通募集コーナーに応募して、私の住所と氏名と文通希望(男女問わず中学1年生の方とか)が掲載されたことがあるのです。
私の住所と氏名が載った時はめちゃくちゃ嬉しかったです。
1冊の本にはたぶん100名近くは掲載されていたと思います。
それが毎月発売される度に色んな人が載るわけですから、その中から自分を見つけてもらって手紙が届くとなるとかなりのハードルの高さだと思います。
掲載されてからは、手紙が来るかどうだろうかとポストを覗いてはドキドキしながら待ったものです。
そしてしばらくすると確か4通くらい届きました。
その中には男子も1人いました。
私は嬉しくってすぐに全員に返事を書きました。
驚いたことに嫌がらせなどの手紙は一切ありませんでした。
(昭和45年頃、1978年頃の事で古き良き時代でしたね。)
えっ?!これを読んでる読者の皆様は生まれていなかった!ですって(゚д゚)!
オホホ!さようでございますか。(⌒∇⌒)
こんな時代もあったのでございます(*- -)(*_ _)ペコリ
もうそれからは手紙を出せば返事が来るのが待ち遠しくて、ワクワクしながら待ったものです。
そうして、何度かやり取りを続けていましたが、やがて1人、2人と手紙が届かなくなり、最終的に1人だけになりました。
その人は私と同い年の女の子でしたが、字がとっても綺麗な子でした。
共通の話題で盛り上がり何度も手紙のやり取りをするうちに親しくなって写真の交換もしました。
それがまた可愛い子でした。
中学の3年間はずっと文通して、いつか大人になったら会いたいね。なんて言いながらも、高校になってからお互い忙しくなりだんだん手紙が遠のいてしまい、いつの間にかそれっきりになってしまいました。
彼女も私と同じように歳を重ねて今は孫もいるかもしれないな、なんて想像したりして、どうしているかな?なんて思います。
しかし、今はその手紙が手元に残っていなくて連絡先もわかりません。
今となっては青春時代の良き思い出となっています。
手紙と言えば、カクヨム仲間の緋雪様が「手紙」のエッセイを書いておられます。
今ではあまり書くことがない手紙の興味深いお話が盛りだくさん。
そのエッセイを読ませて頂き私も文通の事を思い出してこちらのエッセイを書くきっかけにもなりました。
是非ご覧下さい。
緋雪様。『私をつくる「好き」なこと』「手紙」
https://kakuyomu.jp/works/16818093076641318213/episodes/16818093078161534510
緋雪様の近況ノートには可愛いレターセット、一筆箋、シールなどの写真があります。一緒にご覧になってくださいね。
緋雪様の近況ノートはこちら ⬇
https://kakuyomu.jp/users/hiyuki0714/news/16818093078173522130
そして近況ノートに私のお気に入りの便箋、封筒などの画像あります。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます