第4話 心臓
私にも、友と呼べる、ある男がいた。名前はマークと言う。私は、マークを自宅に誘い、ランチをご馳走することにした。“食材”は沢山あった。冷蔵庫に保存してあった妻の肝臓と、男のすね肉を使う事にした。
オリーブオイルでじっくり焼き、赤ワインでよく煮込んだ。友人のマークにも同じ肉を食べさせたかったのだ。
マークは、玄関を開けると、血の匂いに気づいたらしく、「血生ぐさいな。」と眉を細めて言った。
マークは、妻の肝臓と男のすね肉をナイフで切り分けると、躊躇しながらも口にした。
マークは言った。「美味しいな!ワインが肉の臭みを上手に消している。ちなみに、何の肉だい?」
私は言った。「性格の悪い豚だよ。」と。
二人は甲高く笑いあった。
マークと2時間程談笑した頃であろうか。マークはやたらと時間ばかり気にするようになった。5分置き毎に、腕時計に目をやる。私は、マークとの間にある、“時間”に嫉妬した。私よりも、時間を大事にするマークは、“悪”に感じてきたのだ。
私は、「ちょっと、失礼、、、。」と言って、自分の机に向かい、引き出しから、銃を取り出した。そして、マークの元へ戻り、マークの正面に立った。私は、躊躇わずに、引き金を引き、マークの心臓を貫いた。マークは、即死した。
私は、椅子にもたれかかっているマークを、床に横たえると、キッチンからナイフを取り、マークの胸を切り裂いた。肋骨を外し、肺をよけると、そこには、大きな穴が空いたマークの心臓があった。私は、マークの心臓をもぎ取り、こう言った。「マーク。君の心臓は止まっている方がいい。止まっているということは、永遠っていうことだろう。それがいい、、、。その方がいい、、、。これで、私達は、本当の友達になれるね、、、。」
そう言うと、私は、まるでりんごにかぶりつくように、マークの心臓にかぶりついた。私の口からは、マークの血が滴り落ちた。
「これで、私達の友情は永遠なんだ!」
私の叫び声が、リビングに響き渡るのであった。
君を食べたい 伯人 @Takashi2525
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