第27話(最終話)「魔神メイドと最後のご奉仕」

ついに精霊王が復活した。

そいつは精霊王ティマージュと名乗った。

更に白竜ラーゼスと融合しパワーアップした。

しかし精霊王はこちらの敵、倒さなきゃいけない相手だった。

俺は指輪をかざすとエデンに倒すよう命じた。


ダークブラスト!


まずは小手調べの牽制攻撃だ。

しかし白竜ラーゼスと融合した精霊王は凄まじく、

つぶての一つすら寄せ付けない。


「ははは、最強の魔神の力はこの程度か!」


ティマージュは炎を吐きエデンを攻撃した。

エデンは必死の魔術障壁でなんとかそれを防いだが、

次も防げるかは分からない程ギリギリだった。


「くっ、魔の王の力よ!我が拳に顕現せよ!」


これはエデンの必殺技、魔力パンチだ。

エデンは自分の拳と巨大な魔力の拳を同調させると、

ティマージュに殴りかかる。

しかしティマージュは両手(前足)でそれを受け止めてしまった。


「他愛ない・・・そうだお連れの下僕共を燃やしてみるか」


「や、やめろ!」


狼狽するエデンの言葉に耳を貸さず、容赦なく炎は吐かれた。

メイルとジェナ、そしてレイナと俺に炎が降りかかる。

エデンは速攻でバリアを全員に張るが、

その分自身の魔力障壁は薄くなっていた。


「おやおや、自分の防御がお留守だぞ」


ティマージュの尻尾が鞭となりエデンを吹き飛ばす。

薄くなった魔術障壁は役に立たず、エデンはモロにダメージを受けた。


「くっ、さすがアイツと融合しただけはあるな・・・」


「ほう、まだその様な口をほざける力が残っていたか」


このままじゃ俺達の部隊は全滅、いや地上も全滅させられるだろう。

何せ最強の魔神が敗れたのだから・・・

ん?最強の魔神?


「これで無理なら諦めるしかない!」


俺は指輪をかざすとこう命じた。


「第三の願いだ!最強の魔神に更なる力を!」


俺は第三の願いをついに使った。

互いの契約の指輪は砕け散り、そして願いを叶えきられたエデンは、

封印される前の元の魔神の力を取り戻す。

肌は紫色に変わり、2枚の巨大な羽が生え、爪も頑強で鋭い物に変わった。


「さあエデン、俺の命なんて幾らでもくれてやるからアイツを倒してくれ!」


「お前を殺す?何の冗談だ?下僕のクロウ」


「へっ?」


「この剣、少し借りるぞ」


エデンは俺の魔剣ブルーノヴァを手に取ると怪しげな呪文を唱えた。

すると魔剣は更に青白く光り、巨大な光の刃となる。


「何をごちゃごちゃ言っている!貴様等はこれで終わりだ!」


グアアアアアアアアアアアアアアア!!!


ティマージュは最後の一撃と言わんばかりの巨大な炎を吐く。

しかしエデンは余裕しゃくしゃくだ。

片手をかざしその火炎攻撃を完全に防いだ。


「はああああああああああああああああ!!!」


そしてエデンは強化された魔剣ブルーノヴァを振り上げると、

その巨大な光の刃でティマージュを両断した。


「こ、この精霊王が魔神如きにやぶれるとは・・・」


「私はただの魔神じゃない・・・最強の魔神だ!」


こうして精霊王を巡る戦いも、そしてエデンとのメイド生活も幕を閉じた。



「さて肩が凝ったな・・・少し揉んでもらおうか」


「はいはい、分かりましたよ」


今の俺はエデンの下僕だ。

しかしいざという時は仲間として扱ってくれる。

こんなに心強い仲間は他にいないだろう。

何せ彼女は“最強の魔神姫”なんだからな!




【凡人騎士は最強の魔神姫をメイドに召し抱える様です。】-完-

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落ちこぼれで凡人冒険者の俺が最強魔神メイドを手に入れる!後悔してももう遅い! 勇者れべる1 @yuushaaaaa

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