第887話 変なこと たくさん(シリーズ2)

過日の、東京第15区修議員補欠選挙。他党の選挙妨害をしたとして、「つばさの党」のメンバーが逮捕されている。選挙期間中は、「選挙妨害」と批判を受けることを考慮してか、選挙期間中は言葉は悪いが、彼らのやりたい放題であったように思われる。


選挙期間中のことと記憶しているが、YouTubeでは、彼らの「緑のたすき」をかけた人間が、他の候補者の演説を聞いていた、おそらく一般の人と思しき人をいきなり背中から倒れるように転倒させていた画像を見た記憶がある。選挙演説に集中していた人がいきなりそのように転倒させられたら、下手をしたら後頭部を大きくぶつけて命にかかわるようなケガをするかもしれない、というものであった。


テレビのニュースでは、選挙カーの上で演説している候補者に対して、その近くにある電話ボックスの上に上がって、拡声器でヤジを飛ばしている姿が写っていた。


この件で世間が騒がしかった時に、「公職選挙法」に目を通したことがある。私は弁護士でも、法律の専門家でもないので、第何条とかいうのは覚えていないが、はっきり覚えていることは、「拡声器をもって演説できるのは、許可を得た選挙カーの上だけ」と規定されていたことである。なので、拡声器をもって電話ボックスの上で妨害演説をしていれば、明らかに「公職選挙法違反」に該当するはずである。


今朝のニュースで、彼らが「他の選挙カーを『カーチェイス』と称して追い回していた」として再逮捕になった、と報道されていた。いったいこの人たちは、政治を通して何を実現させたかったのだろう?と疑問でならない。傍で見ていると、他の候補者に嫌がらせをすることそのものを楽しんでいるようにしか見えないのだが。


この「つばさの党」も、ルーツは「NHKをぶっ潰す党(以下N党)」にあるらしい。NHKの既得権益についての執着については横に置いておいて、何だろう、「政治を行なうこと」の責任の重さを少しも感じさせない。


今度予定されている東京都知事選でも、複数のN党党員が立候補を表明している。政党としてまとまり、「善悪」は別として、何らかの「政治的目的」を共有して政党を結成しているのであれば、党内で議論を重ねて候補者を一本化するのが普通だと思うのだが??真剣に「政治を行なうこと」を考えずに、既存の制度をもてあそんでいるようにしか見えないのだ。


従前の与野党もグズグズなら、新たに出てきた政党はなおさらおかしな具合である。政治の貧困化、というのはこういう事なのかもしれない。変だなぁ、困ったなぁ、と弱っている次第である。


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