第886話 変なこと たくさん(シリーズ1)

自民党の「パーティー券売り上げキックバック問題」に端を発する自民党の迷走っぷりには傍ら痛い思い(「現代語」では「片腹痛い」と書いて「腹が痛くなるほど笑えるほど面白おかしくて、みていられない」という意味で使われているが、もともとは「傍ら痛い」と書いて、「傍で見ていても極めて危なっかしくて、とても見ていられない」という意味である)をしている。昨日、法案が衆議院で可決されたかと記憶しているが、「政治資金規制法案」についても、与党、野党ともにこれまた滑稽なことになっている。


「政治資金パーティーは廃止すべきだ!」と強く主張していた野党側で、執行部クラスの複数の議員の「パーティー」が行われた/行う予定だった、なんてなかなか、コメディー映画でも見ないようなジョークである。


今、「政党交付金」として、国から各政党にお金が支払われているが、確かこの制度が成立した時には、「不正な献金」をなくす、政治資金の透明性を確保する、という建前で成立したはずである。「政党交付金」という制度ができて、もうずいぶんと時間が経ったはずなのだが、その目的は一体どうなっているのやら?


ものすごく頭がいいなぁ、とある意味感心したのは、政治家が自身の給与を、自身の所属する政党支部に献金することで「免税」を行なっていた、という事が発覚した時である。政治家が、自身の政治団体に寄付することは「免税」の対象にはなっていないのだが、「自身の所属する政党支部」に寄付を行なうと、「政党への寄付」という事でその金額の3割が所得税から控除されることになる。


よくそこに気づいたなぁ、という頭の良さに驚いたと同時に、その頭の良さを本当に「人々のための政治」に生かせてくれたらなぁ、と残念に思う次第である。


自民党だけかと思っていたら、立憲民主党でも同じような事例があったとニュースになっていた。同党の衆議院議員の吉田 統彦議員が報道されており、ニュースでは、寄付の原資は自身が眼科医として働いていた報酬や不動産収入を充てており、歳費はそこに当てていない、とのことだった。氏は『身銭を切って寄付した』と述べているそうである。ただ、氏の収入としては「歳費」であろうと「眼科医としての給与」であろうと、「不動産収入」であろうと色がついているわけではない。収入として入ってしまえば同じであり、与党も野党も、結局は「同じ穴の狢」という事になってしまったわけである。何とも言い難い。困ったことであり、おかしなことでもある。


「政治腐敗、ここに極まれり」と言いたくもなるが、さらにもっとおかしなことが出てくるのかもしれないと思うと、うかつにそういう事も言い難い。変な話である。

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