第882話 「大阪維新」の闇なのか、「大阪市役所」の闇なのか?

私が最初に見た報道は、5/21 読売新聞朝刊の社会面の記事だった。


2023年の1月、大阪湾に迷い込んだマッコウクジラ「淀ちゃん」が亡くなり、死骸を紀伊水道沖に沈める、ということを大阪市の「大阪港湾局」が行なったが、それに伴う費用について、「本来の担当者」ではない「経営改革課長」が出てきて、「契約価格の『引き上げ』に加担」していた、というニュースであった。業者側の担当者も、元大阪市の職員で、この経営改革課長とは親しい間柄だったそうだ。


記事では、大阪市側の課長二人(本来の担当者である「海務課長」と、本来は「関係のない」はずの「経営改革課長」)と業者担当者の主なやり取りも取り上げられていた。


市側の当初予算では処理費を3774万円と試算していたが、業者側は8625万円の提示をしていたようだ。その「仲裁役」として「経営改革課長」が出て行ったそうだが、この「経営改革課長」は業者側に立ち、「8000万円を超える数字を出さないと」と、担当の海務課長に迫ったらしい。海務課長は、自分の権限で動かせる金額ではないとのことで、「(局長へ)諮らないと」と経営改革課長に伝えたそうだが、経営改革課長は「何しに来たん?みんな暇ちゃうで」「おまえ、ええ加減にせえよ」と恫喝とも取れるような発言があったそうである。


業者側の発言も、8000万円を引き出す根拠として、船の清掃費を計上するなどとしており、「ブラックボックスにできるのは清掃なので、うまく8000万(円)台に持って行ったらええんちゃうの」という発言があったようだ。


橋下 徹氏が大阪市長として大阪市庁に乗り込み、市職員とガンガンやり合っていたのは何だったんだろうか?「二重行政を解消し、無駄を解消する」というのではなかったのだろうか??


この件について読売新聞側が、大阪市に取材を申し込んだが、海務課は「交渉は適正に行われたが、具体的な内容は差し控えたい」と、当時の経営改革課長は「既に別の局に移動しており、コメントできない」との返答であったそうだ。


5/24の読売新聞 朝刊では、この経営改革課長が「淀ちゃん」の処理後、委託業者と会食をした、ということが記事になっていた。また、「淀ちゃん」の処理では、急を要することであり、「一般入札」ではなく、1社のみの見積もりによる「特名随意契約」となっていたが、契約内容について適切だったかどうかの見直しを市側が行なっていること、また、この件については、大阪港湾局側が、顧問弁護士から、(当時の松井一郎)市長らに早急に相談するよう助言を受けながら、市長に報告していないことも報じられていた。市民グループも、この件について、現在の横山市長を相手取り、住民訴訟を起こしたことも報じられていた。


市長は6月をめどに調査結果を報告する、ということだ。


現在の大阪府政、大阪市政とも、大阪維新の会が府知事、市長としてかじ取りをしているが、「維新の会」の劣化が著しいように感じている。こまごましたことまで数え上げると思い出せないほどだが、少なくとも、COVID-19ワクチンの医療機関への配達で、「下請けに出すのは禁止」という条件で医薬品卸会社と契約を結んだにもかかわらず、「下請け」が業務を担っていたこと、それを「スクープ」として2/1にMBS(毎日放送)が2時間近く取材内容を報道していたのに、翌日からはその件については全く報道されなくなったこと、COVID-19でホテル療養者には、一人当たり1食1500円(1日、ではなく1食ですよ!)の国からの補助金が出ていたにもかかわらず、金額に見合うような食事が提供されていなかったこと(食事内容を見ると、1日1500円かと思うほど)、ということはよく覚えている。


今回も、市職員と業者の癒着が背景にあるような印象であるが、実際に市の試算である約3800万円では本当にできなかったのか、本当に8000万円かかる仕事だったのかどうか、今後の報道が気にかかるところである。


ちなみにではあるが、近況ノートに、ホテルで提供された食事の写真を供覧したいと思っている。

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