第857話 単純に「数遊び」ですが。
日本で暮らしていれば、生活のほぼすべてを「日本円」で賄うことができるので、「世界」から見た「日本の賃金」というものが見えづらい。
ということで、戯れに「ドルで日本の給与平均」を計算してみた。データは、平均給与は「厚生労働省」のホームページから、各年の平均為替レートは「世界経済のネタ帳」というサイトを参考にした。
厚生労働省のホームページでは1989年から2018年のデータが掲示されていた。日本円での平均給与の平均値の推移を見ると、1989年、バブル真っただ中の時は452.1万円、実はそこからしばらくは「就職氷河期」であったにもかかわらず、平均給与はちょっと上がっていて、私が大学4年生のころは460万円ほどだった。がくんと平均給与が下がったのは、リーマンショックのあった2008年。その翌年の2009年が底をついて、421.1万円。そこから徐々に上昇して、2024年現在の値は、464万円。ということで、「日本円」だけを見ると給与は改善しているように見える。
ところが、平均為替レートのフィルターをかけて、ドル建てで見てみると、また異なる動きが見える。
日本円で平均給与ががくんと下がったリーマンショック直後の2008年、2009年は、為替の影響で、「ドル建て」で考えると給与に大きな変化は見られなかった。ドル建てで最も給料が高かったのは、2012年。日本円では427.7万円だが、平均為替レートが1ドル79.8円だったので、ドル建ての給料は5万4000ドル程度であった。
今年は物価高に対してベースアップも積極的に行われており、日本円では464万円であった。ただし、最近の円安ドル高傾向を勘案して、1ドル160円で計算すると、ドル建ての給料は2万9000ドル、となった。干支が一回りしただけで、ドルを基準に日本の給料を見ると、6割程度に価値が下がったことになる。
金融政策、大事だなぁ、と思う次第である。
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