第841話 Shape Of My Heart

Backstreet Boysではなく、Stingの曲の方である。ガットギターが印象的な哀愁のある曲で、初めてこの曲を聞いたときから、「いつか弾きたい」と思っていた曲である。残念なことに、この曲、そして映画“LEON”が話題になっていた時は、大学生だったか、院生だったか、研究の仕事が忙しく、おそらくその時期には楽譜は容易に入手できたのだろうが、楽譜屋に行くことがままならなかった。


この2年ほど、ようやく「ギターの練習」をする時間的及び心の余裕ができたのだが、今度は楽譜の入手が難しくなった。もちろん、ネットでYAMAHAの“ぷりんと楽譜”などのサービスを使えば容易に手に入るのだろうが、個人的には「楽譜は本」派であり、「本」の形態で作られているものが欲しかった。


1年半ほど前、楽器屋さんで見た楽譜の中に、オムニバスで様々な曲が入っている楽譜を見つけ、その中に”Shape Of My Heart”が入っていた。ほかに、back numberの「ヒロイン」など、楽譜が欲しいと思っていた曲が何曲か入っていたので、その楽譜を買って、練習してみたのだが、「何が」というわけではないが、なんとなく音がおかしいような気がした。それ以降、その本の“Shape of My Heart”の楽譜は顧みられなくなっていた。


先日、私がfollowしているギタリストのYouTubeで、新たに”Shape Of My Heart”のレッスン動画がupされた。この方の動画はエレキギターの動画で、これまた楽譜の入手が困難だった“Let It Be”シングルバージョンのギターソロなどを取り上げてくださっていて(アルバムバージョンのギターソロの楽譜は持っていた)、私が高校時代に使っていた5線紙ノートの残りに、動画に付随していた楽譜とTAB譜(どの弦をどの指で押さえるか、を記したもの)を書き写していたのだが、今回も同様に、“Shape Of My Heart”の楽譜とTAB譜を一生懸命書き写した(アナログ人間です。はい)。


動画はエレキギターのジャンルなので、うp主の先生は動画内で「原曲はナイロン弦ギターなのに、エレキの動画で取り上げてしまいすみません」とおっしゃっていたが、私は、ナイロン弦ギター(ガットギター、と呼んだり、クラシックギターと呼んだりする)も持っているので、書き写した楽譜で、さっそくガットギターで練習を始めた。


ちょっと指を開かなければならないところがあるものの、「ギター」だけなら、そんなに難しくはなかった。ただ、「弾き語り」には向かない。誰かにギターを弾いてもらって、歌に集中する方がよい印象だった。弾いた限りにおいては、違和感は感じなかった。


以前購入した楽譜と、どの音が違うのか、比較してみたのだが、私が購入した本は、ローポジション~ミドルポジション、今回の楽譜はミドル~ハイポジションの違いはあるが、「音使い」については全く変わらなかった。細かいことを言えば、購入した楽譜では「ミ#」と記譜されているのが、YouTubeの楽譜では「ファ♮」と違いがあるのだが(どちらも音としては同じ)、その程度である。「ミ#」と「ファ♮」、同じ音だが、音楽理論ではその意味付けが異なってくるので、それは採譜者がその音を「どういう位置づけの音」と解釈したか、ということで表記が異なっているだけである。そこまで音楽理論は詳しくないので、この辺で止めておくことにする。


そんなわけで、それなりに高いお金を出して買った楽譜、「なんか違うな」と思って寝させていたが、運指は違えど(StingのYouTubeを見ると、今回の楽譜の方が正しい運指のようだが)、同じように音を出していたことが分かった。では、最初に感じた違和感は何だったんだろうか?それは謎のまま、今後も練習を続けていくつもりである。

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