第811話 そうなるやろうと思とった。

未だに真相が明らかになることもなく、クラゲのようにのらりくらりとした進展しかない自民党のパーティー券資金キックバック問題。数日前の新聞には関連する党員の処分を行なう、との記事が出ており、その記事では岸田首相自らが、「自分自身もその対象になる」との談話が載っていた。


記事には、自民党の懲戒処分が載っており、重い順に(1)除名、(2)離党勧告、(3)党員資格停止、(4)選挙における非公認、(5)国会及び政府の役職の辞任勧告、(6)党の役職停止、(7)戒告、(8)党則の順守勧告、となっている。


小泉総裁のころ、郵政民営化に反対した議員たちは、「党議に反する」という理由で、複数の議員が最も重い(1)除名の処分を受けたことを記憶しており、どこかの新聞記事でも、そのことに触れていたように記憶している。


この懲戒処分の内容を見た時点で、「あぁ、岸田氏の処分はないなぁ」と確信した。戒告以上の重い懲戒を受ければ、首相を辞任しなければならないからである。戒告の次に重い「党の役職停止」であっても、「自民党総裁」の資格を失うわけである。氏が「首相」でいられるのは、氏が国会第一党の「自由民主党」の「総裁」だからである。だからこそ、国会で氏が首相に推されるわけである。「自民党総裁」でなくなれば、早晩首相の座を降りなければならない。


自民党の「総責任者」が「戒告」か?そんなことはあり得ない。とするなら、下手に処分をするよりも、「知らんぷり」の方が残念ながら見栄えが良い。そんなことを考えていたら、やはり、今朝の新聞では「岸田総裁はお咎めなし」という結果に落ち着いたようだ。


小泉内閣の時、あれほど「郵政を民営化しなければ日本の未来はない」みたいな論調で進んでいたが、結局郵政民営化したところで、大きな変化があった、という実感はなかった。却って、何となく不便になったように思う。「かんぽの宿」についてもグダグダで、オリックスだったかな?そこにまとめて150億で売り渡す、というニュースが出たときに「問題だー!」と大騒ぎになって話は立ち消え、1年ほど前に結局全部売り払ったが80億円くらい、という半値以下で売却という話になった。結局国は80億円近く損を出したわけだが、それは問題にもならなかった。


今回の問題は、「郵政民営化」の問題とは異なり、明らかに「犯罪行為」とも呼ぶべきものだが、なんだかだんだん事態が矮小化されて、モヤモヤのうちに消えてしまいそうだ。


自民党に自浄作用を求めるのは土台無理な話だが、特捜部や国税庁も「及び腰」なことには、極めて残念かつ腹立たしく思う。


全くもっておかしな話である。今回のことは特定の誰かが悪い、というわけでなく、それを許す「自民党」全体の問題だろうと思う。もちろん、人によって取るべき責任の重さに違いがあるのは確かだが、本来なら「解党的出直し」をすべきものだろう。


世界の国々と比較して、日本の公務員の汚職は少ないと思うのだが、政治家はグダグダのようだ。無念極まりない思いである。

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