第643話 谷村新司氏の死去!

先ほどニュースが流れてきた。歌手の谷村 新司さんが亡くなられた、とのことだった。


ニュースでは、今年3月に急性腸炎で手術を受けていたらしい。ニュースに記載の情報はそれだけであり、その情報だけでは何とも言い難いが、そこに違和感を感じないわけではない。


基本的に「急性腸炎」は「外科手術」を必要とする疾患ではない。手術が必要、となったのであれば、腸管そのものが強い炎症で「壊死」を起こしたか、炎症で消化管に穴が開く「穿孔」が起きたか、である。ただ、かりにそれらを起こしたのであれば、確かに致死的な経過を取りうる。場合によっては広範に腸管を切除することで、経口摂取では栄養を取れない「短腸症候群」(腸が短くなりすぎて、いくら食事を取っても十分に吸収できない状態))を引き起こすことも考えられる。ただ、手術は3月、とのことであり、その手術そのものが「今」の時点での谷村氏に影響を与えているかどうかは分からない。少なくとも手術の要因となった「急性の炎症」については落ち着いていたのではないか、と推測される。


短腸症候群の患者さんに対しては、消化管を用いた栄養摂取はできないので、「中心静脈栄養(TPN)」という手法で、体内に栄養を供給する。心臓に近い「中心静脈」と呼ばれる血管に細いカテーテルを挿入し、そこから生きていくために必要な栄養、電解質、微量元素を補充する、という手法である。


ただ、血管内に人工物が挿入されていると、挿入物に細菌や真菌感染を来すことがあり、その場合には速やかに挿入されているカテーテルを抜去し、抗菌薬治療を行なう必要がある。


谷村氏は、そのような形で新たに感染を来したのだろうか?もしくは、3月の「急性腸炎」緊急手術の時点で、高度の脳障害を併発していたのかもしれない。いずれにせよ詳細は分からない。


関西にあるテレビ、ラジオ局の一つである「毎日放送」。私が小学生~中学生のころ、午後10時からのラジオ番組「ヤングタウン」の金曜日を、谷村氏、ばんばひろふみ氏と、今は「梨園の妻」を立派に勤めておられる、当時はアイドルだった三田 寛子氏が担当していた。少しだけ大人向けのラジオ放送で、当時すでに中年だった谷村氏とばんば氏のアダルトトークに、三田氏が「キャーキャー」と恥じらっていたことが懐かしい。


谷村新司氏のご冥福を、心からお祈り申し上げる次第である。

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