第626話 中秋の名月
9/29は「中秋の名月」だった。
夕食後の午後8時半ころだっただろうか、月を眺めるために表に出てみた。
近くの林(近くのお寺が持っている、広大な敷地の一部)の上に、まぶしいほどに輝いている満月が見えた。
月の周りにかさ(halo)が見えたので、「翌日は雨なのかもしれない」と思ったり、最近老眼も進み、年齢的にも白内障が徐々に目立ってくるころでもあり、実は私がそう見えているだけなのかもしれない、と思ったりした。
気がつくと、妻も、子供たちも、家族全員が家から出てきて、月を眺めていた。
「おぉ、きれいやなぁ」と子供たちの声。
子供たちも高校生になり、巣立ちの年齢が近づいてきた。若かった夫婦二人に、子供たちが二人やってきてくれて、わちゃわちゃとしているうちに、幼稚園、小学校、中学校を過ぎてしまった。二人の家族は四人になり、そしてまた、夫婦二人家族に戻るのだろう。
いつまで、こうやって子供たちと月を眺めていられるかなぁ、とちょっと切なくなった。子供と過ごせる時間、振り返るとあっという間だったな、と思う。自分が「子供」だった時間よりもうんと短く感じられる。両親もそんな思いをしていたのだろう、と思ったりした。
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