応援コメント

第617話 「自己実現」(やりがい)によって搾取される人々(読書感想文)」への応援コメント


  • 編集済

    私が大学に入った頃は、卒業後は「就職」するのか「研究者」になるのかという考えで、やりがいとかそういう考えはなかったです。
    就職氷河期が始まりだして、意中の会社に就職した人、不本意だった人もいて、「私は意中の会社に就職できず、この会社に決まったのは不本意だった」とはっきり言っていた人もいました。
    転職をいくつかして天職を見つけたという人もいました

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

    私たちが就職期を迎えたころからだったと思いますが、新入社員に「訳の分からない」研修を受けさせることが始まったように記憶しています。「自己啓発セミナー」みたいなものを目にするようになったのもそのころからのように感じています。

    本書の主張は、「やりがい」「自身の成長」などの言葉を職員に使うことによって、「使用者」が本来支払うべきものを「ごまかしている」というものです。

    私たちのギルトの中でも、「医者は『職業』ではなくて『生き方』だ」と公言されている人もおられます。その言葉を否定するつもりはありませんが、神戸の「専攻医自殺問題」の根っこには、「そのような思想」があることも否定できないところだと思っています。

    「お客様の喜びは私たちの喜び」みたいな言葉を掲げている企業の中にはブラックな企業も多く含まれますが、例えば、「自身の成長」のために、勤務1時間前に「自社の掃除」のために出社させる企業があったとして、本書では「出社を強制するなら、その1時間にも時間外手当を支払うべき」という主張でした。

    個人的には、医療の世界で最も「やりがい搾取」されているのは「大学病院」だと思っています。理不尽な構造が成り立っている、不思議な世界です。