第573話 ええねんけどな(今朝の朝刊から)

本日の読売新聞朝刊の一面。「日米韓首脳 毎年会談へ」「3か国演習も定例化」との文字が目に入った。


8/18にアメリカの大統領山荘「キャンプデービット」でバイデン大統領が主催して、岸田首相、韓国のユン首相と会談を行うとのことである。米国駐日大使が、「この会談を定例化し、毎年行うこととする」と明らかにしたそうである。


記事を読んで、私が感じたことは二つ。


まず一つは「中国」へのアピールである。距離的には極めて近い日本と韓国の首脳をアメリカに呼ぶことで、「貴国の首元には、我々の同盟国がいるのだよ」というアピールをする、ということが開催理由の一つであろう。中台問題がいつ爆発するか分からない昨今、台湾の総統をアメリカに呼ぶことも、アメリカの大統領、あるいは政府高官が訪台することも、火種となりかねない。となれば、「牽制」の意味合いで、日韓両国との親密な関係をアピールすることは意味のあることだと思われる。


もう一つは、「日本」も、「韓国」も、やはりある意味「アメリカの属国」だなぁ、ということである。日本は第二次世界大戦で敗戦国となり、アメリカの占領下におかれたこと、「韓国」は朝鮮戦争で「アメリカの支援」を受けて国家としての体裁を整えたことから、アメリカ側から見れば、どちらも「属国」と考えていても不思議ではない。


私は「歴史家」でも「国際政治学者」でもないので、専門家から見れば噴飯ものの認識であることはご容赦いただきたいが、「敗戦国」となり「アメリカ」の統治となったことは悪くはなかったと思っている。むしろ、考えうる状況の中では、きわめて幸運な経過をたどったと思っている。複数国による分断統治、となってしまえば、日本国内で、冷戦構造ができてしまい、「朝鮮戦争」の悲劇が「日本国内」で起きていても不思議ではない。


国防の大きな部分をアメリカに頼っている国家としては、有事の際には心許ない部分がないわけではないが、「北方領土」の問題は別として、北海道~沖縄までを「アメリカ」一国での統治となったのは、もちろん統治後の天皇陛下の振る舞いと処遇、東京裁判などの問題を抱えているにせよ、想定されたケースの中ではbetterだったと思っている。


ただ、現在日本は一応「独立国」の形態を保ってはいるが、本質的には「アメリカ」と対等な国ではなく、やはり「属国」なのだろう、と感じた次第である。


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