第541話 Do DON‘T.
歌手のマドンナ氏が、敗血症性ショックでICUに入院となった、というのがニュースになったのはもう1週間ほど前だっただろうか?
昨日、それに関することで、マドンナ氏がERに搬送され、ICUに入室する直前に、麻薬拮抗薬である「ナロキソン」を投与されていた、「ナロキソン投与で蘇生した」ということがニュースとなっていた。
そのニュースだけを見ると、マドンナ氏は「敗血症性ショック」だけでなく、「麻薬」のオーバードーズもあったのではないか、という印象を受ける。
私が医学生時代から愛読しており、多分今も改訂版が出ていると思われる「研修医救急御法度」の最初の方に書いてあることだが、アメリカでは「意識障害」の方が搬送されてきたら、まず”Dextrose(糖)”,”Oxygen(酸素)”,Naloxon”,”Thiamine(ビタミンB1)”を投与すること、とされている。そのニーモニック(語呂合わせ)が表題の”Do DON’T.”である。「『してはいけない』をしなさい」という語呂合わせ、印象に残りやすいと思う。
おそらくマドンナ氏へのナロキソン投与も、単純に”Do DON’T“を行なっただけかもしれない、と思ったりする。ただ、そのことを知らないと、「麻薬拮抗剤」を投与されているから、「麻薬使用」が今回の入院の原因となっているのだろう、と思い込んでしまう可能性が高い。当然ER→ICU入室となっているので、ナロキソン以外にも複数の「救命のための」薬剤が投与されており、そちらが有効だったのかもしれない。
薬物中毒、違法薬物としては日本は覚せい剤が多いのに対して、アメリカではコカインやヘロインなどの合成麻薬が多いので、ナロキソンは外せない薬なのだろうと思われる。
う~ん、印象操作って怖いなぁ、と思う次第である。
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