第483話 ちょっと罪悪感…。

今の勤務先では、医師の勤務時間は日勤では午前9時~午後5時と規定されている。ところが、アルバイトのDr.がほとんどを担当してくださっている当直帯は、午後6時~午前8時、となっている。なので、前後1時間の空白がある。日勤帯→当直帯への引継ぎについては、午前9時に出勤した医師が1時間居残りをして、引継ぎをすることになっている。1時間居残りなので、「居残り手当」が付くこととなっている。当直帯→日勤帯の引継ぎは、引継ぎ医師が1時間早く出勤することで行なっている。この場合は、勤務時間が1時間前倒しになるので、「早出手当」なるものは存在しない。早出医師の勤務時間は午前8時~午後4時、ということになる。


そして、私の出勤日は「土曜日」を除いて(金曜の当直医は常勤医が担っているので)、すべて私が「早出」担当医師となっている。と言っても、8時から、のはずが私は7時には出勤しているので、早出医師となることについては苦痛ではない。逆に、当直をされているDr.から、「引継ぎ医師が1時間早く出勤してくるので、その分睡眠時間を削られる」とクレームがついたほどである。


そんなわけで、土曜日以外は私の退勤時刻は午後4時である。


冬季であれば、午後4時にもなれば日も傾き、いかにも「夕方」という雰囲気になるので、「あぁ、今日も仕事頑張った」という気分になるのだが、日の長さが長い今日この頃では、午後4時ではまだまだ日が高い。なので、「こんなに日が高いのに、帰っていいのだろうか?」と不安になってしまう。日が高いので、まだ仕事をしなければならない気にはなるのだが、ただでさえ、朝1時間のサービス早出をしているので、労務管理上はさっさと帰らなければならない。


そんなわけで、日も高いうちに仕事を終えて帰宅、ということになっている。体調を崩してから、無理をしないように働いていること、既定の時間以上に働いているので罪悪感を感じる必要もないのだが、長年、朝早くから夜遅くまで働いていたので、今の職場で数年来働いているのだが、ついつい罪悪感を感じてしまう。


習慣というのは厄介なものである。

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