第481話 摩天楼?
今朝の出勤時は大雨が降っていた。雨の中、車をゆっくり住宅街の中を走らせる。もちろん誰かが飛び出して来たら危ないからである。
私の住む住宅地はおそらくある程度なだらかな山を切り開いて作られたのだろう。メインストリートは少しきつめの上り坂、そして、脇にそれると結構急な坂がある。駅前でタクシーを拾い、住所を告げると、「あのきつい坂は上りますか?」と尋ねられるほど急な坂があるのだ。
急な坂の上に来ると、それなりに見晴らしがよい。雨の後の空気が澄んでいるときには「この方向であの高さの建物は、たぶんあれに違いない」なんてわかるほどである。
今日は天気が悪いので、見晴らしは良くないのだが、坂を下ろうとすると、駅前に2棟建っているタワーマンションが、雲に覆われているのが見えた。実際に高層階は雲の中に隠れていた。
「おおっ、すごいな。マンションのてっぺん、雲の中だよ。雲に隠れているフロアに住んでいる人は、自宅の窓からどんな風に見えるのだろう?」と興味深く思った。
大都会の摩天楼には及ばないが、まばらにあるタワーマンションでも、「先端は雲の中」という姿を見ると、ちょっとした感動だった。
今の家、妻が気に入って買うことになったのだが、「げーっ!」というような住宅ローンを抱えてでも買おうと思ったのは、妻の意向だけではなく、坂道の途中や、バス通りから見える夜景がきれいだったことも理由の一つである。ただし、我が家からはそのような美しい夜景は「全く」見えない(住宅街の一番奥の家だから)。
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