第455話 それでも「マイナ保険証」を推進するの??

デジタル庁は、マイナンバーカードに健康保険証をリンクさせた「マイナ保険証」を強力に推進している。診療報酬にもその意向は反映されており、国の本気度がうかがえる。


その一方で、申請したのに、別の人の健康保険証と、自分のマイナンバーカードが誤って紐づけされた、というトラブルも多発しているようである。


その原因がなんと、「紐づけ時の『入力ミス』」とのことらしい


今の時代、おそらく健康保険証の情報もコンピュータ上で管理されているはずである。現在では診療報酬請求のためのレセプトは電子情報として送ることが原則なので、健康保険証の情報がコンピュータ管理されていなければ、レセプトの突合がコンピュータ上でできないはずである。


マイナンバー情報もコンピュータ管理されており、健康保険証の情報もコンピュータ管理されているのに、その紐づけに「人の手」が入る、というシステムそのものが本来おかしいのではないだろうか?


以前にも書いたことがあるが、「ヒューマンエラー」は決して無くならない。だからデジタル庁は、マイナンバーと健康保険情報を誤りなく紐づけできる「システム」をコンピュータ上に構築しなければならなかっただろうし、構築できるはずだと思うのだが。


「デジタル庁」を名乗るのであれば、そのようなシステムを組み立て、誤りなく紐づけできるようにすることができなければならないのではないだろうか?


「健康保険証を廃止してマイナンバーカードに紐づけする」という前に、極力人の手が入ることなくマイナンバーと健康保険情報をリンクさせるシステムを構築させなければならなかったのではないか、と思う。


本当は、「マイナンバー制度」が始まった時には「マイナンバーカード」の作成は「任意」で、マイナンバーは必要がない限り他人の目に触れないようにする、というルールだったはずである。健康保険証と一体化する、という方針は、明らかに当初の方針と異なるのだが、その齟齬について、政府はどのような説明をするのだろうか。こういうことをするごとに、政府への不信感が募っていく、ということを理解しているのだろうか?と思ってしまうわけである。

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