第452話 一体全体、何やってんだ??
今日のYahooニュースで、「メグミルク」社製の牛乳が値上げをする、という記事を読んだ。理由は原材料の高騰やらなんやら、ということらしい。これまでの「失われた30年」「デフレスパイラル」で、モノの価格が本来あるべき価格よりも低く抑えられてきた、ということ、そして圧縮された価格は人件費と引き換えであったこともわかっている。最近の物価上昇傾向を考えると、牛乳パック用の紙や工場運営のための光熱費などの上昇を価格に転嫁せざるを得ないことも理解しているつもりである。
牛乳の値上げそのものを腹立たしく思っているわけではないが、数か月前は、「牛乳が余っている」と言って、搾乳した牛乳を廃棄させ、乳牛を処分した酪農業者に補助金を出す、などという愚策を行なっていたではないか?
一消費者として、原料の生乳は廃棄、そして、消費者に届けられる牛乳は値上げ、ということには納得いかない。私のモヤモヤ感は「メグミルク」社でも酪農業者さんでもなく、国・農林水産省に向いている。「何やってんだ!ふざけるな!」と言いたい。
数年前は生乳不足で、牛乳加工品であるバターの全国的な品不足が起きたことを私は忘れていない。その時には結構高い金額で、あまりおいしくない外国産バターが売られていた。その時に「牛乳の生産量を増やそう!」と頑張った結果がこれなのか?
G7の食料自給率をカロリーベースでみてみると、野菜、果物は何とか真ん中あたりの順位をキープしているようだが、穀類、イモ類、豆類は厳しい。特に穀物は圧倒的な最下位である。6位のイタリアが68%に対して、日本は28%である。
もちろんカロリーベースでの食料自給率が40%を下回っているのは周知の事実である。
第二次世界大戦後、ひどい食糧難に苦しんだことを日本は忘れてしまったのだろうか??確かに「闇市」には物があったが、国が供給する「配給物」だけでは生活ができなかったことを忘れてはいないだろうか?心ある裁判官が「法を守る職務についている私が、違法に食を得ることは自身の信条に反する」として、国からの配給だけで暮らし、ついに餓死してしまったことを忘れてしまったのだろうか?
「農業に従事していない」私が言うのはおこがましいが、戦後の「高度成長期」を経て、「減反政策」を取り始めたころから、日本の第一次産業に対する施策はおかしくなっていった。農業、牧畜、林業など、本来は国内で賄うべきものが、なまじ経済力をつけてしまったがために、「国内生産」よりも「輸入品」が安価となってしまったため、第一次産業は衰退していったのではないのだろうか?「農協」も本当に「農家の味方」足り得たのか?
そして今、日本の国力がどんどん低下して、食料を他国に「買い負ける」状況となってきている。この先、どうなるか目に見えているのに、なぜ「酪農業者が乳牛を処分する」ことに補助金をつけているのだろうか?
小学校や、中学校の頃、社会の教科書に「豊作」で余ったキャベツを潰していくトラクターの写真が載っていたことを覚えている。「そんなことをしちゃだめだよなぁ」と思ったことを覚えている。
個人的な意見だが、国は国民に対して「ちゃんと食べさせなければならない」と考えて政策を考えるべきで、それが「政治」の本質でもあると思うのだが、なんか変な方向に来てしまったなぁ、と残念に思う次第である。
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