第425話 それでも『品種改良』というものにこだわるのか?
我が家では、特に希望が無ければTVは固定のものしか見ない習慣となっている。その番組は日曜日の「笑点」と「鉄腕DASH」であるが、「鉄腕DASH」の前に5分ほど、日産自動車提供の「今日も博士は嫉妬する」という短い番組がある。ちょっと早めにTVのスイッチを入れてしまったときにはつい見てしまう。
番組のコンセプトは、「最新の研究を分かりやすく紹介する」というもので、なかなか興味深いものもある。昨日は「品種改良」の速度を進める、というものであった。
「品種改良」とは、それぞれの種(例えばブタ、とかウシとか、キクのような植物も含め)で、ある特性を持つ個体同士を交配させて、その特性を強く持つ個体を作る手法である。現在の家畜や農産物はそのほとんどが品種改良によって、より扱いやすくなったり、病気に強くなったり、おいしくなったりしているわけである。
ただ、「品種改良」は「交配」させて、子世代、孫世代と続けていくわけでずいぶん時間のかかる作業である。ということで、昨日は、その品種改良の「速度」を早める試みを行なっている、と紹介されていた。
その手法は、植物を扱っていたが、その種子に「中性子線」という放射線を当てる、というものだった。「中性子線」を当てることで、種子のDNAに損傷を与え、「突然変異」の頻度を上げることで「品種改良」の速度を上げる、というものであった。
ムムム…。理論はよくわかった。しかし、放射線を当ててDNAに損傷を与える、ということをするのなら、より的確に、ターゲットとなる遺伝子を操作できる「遺伝子組み換え」技術を使ってもよいのではないか?むしろそちらの方が効率的だし、安全性も高いだろう。ランダムに遺伝子に傷をつけて「突然変異」を促し、そして「品種改良」をさせる方が「予想しない出来事」を来す危険性が高いのではないか?と危惧するのだが。
「品種改良」とは「分子生物学的遺伝子組み換え技術」を用いない「遺伝子組み換え技術」であるといえよう。
「遺伝子組み換え作物」への忌避感の強さと、放射線を当てて突然変異を誘発させた植物同士を掛け合わせる「品種改良」への抵抗感のなさに、モヤモヤした次第である。
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