第424話 プリン(pudding)

最近、コンビニで買う「森永の焼きプリン」にはまっている。いや、はまっているというより、ずいぶん長い付き合いだ、というほうが正しいのだろう。


子供のころ、「プリン」と言えばレストランで食べる「プリン・ア・ラ・モード」か、ケーキ屋さんで売っている「プリン」が定番だった。なので、そうそう口にできるものでもないし、お土産やらなんやらでお父さんが「プリン」を買ってきてくれるとまさしく「狂喜乱舞」の気分だった。中でも特別は、もちろん今でも特別な「モロゾフ」のプリンである。子供のころ、自宅に数個、あのプリンが入ったガラス容器があり、普通に「コップ」として使っていた。モロゾフのプリンを食べることそのものが極めてレアだったので、今、ショウウインドウであのガラス容器に入ったプリンを見るたびに「あっ、コップ」と思ってしまう。


多分私が小学生になるころだったか、グリコから「プッチンプリン」が販売開始となったように記憶している。プッチンプリンはスーパーでも売っているし、しかも安い!という事でおやつになることが多かったが、やはり値段相応。卵液が固まった感じではなく、どこかゼリーのようなプルプル感があまり口には合わなかったような気がする。


やがて、思春期を迎え、大学生となり、「プリン」を口にすることはほぼなくなった。若い男性にとっては、やはり「肉!」あるいは「腹の膨れるかさばるもの」である。ソーセージパンのような、安くて、肉っ気があって、腹持ちするものをコンビニでは買うようになっていた(もちろん、ハーゲンダッツのアイスは別格)。


またプリンを手に取るようになったのはこの数年だろうか?やはりプッチンプリン系はもう一つ好きになれない。と言って高級系を走るプリンもこれまた手を出しにくい。


それなりの値段で、「いい感じ」にプリンしているのが「森永の焼きプリン」だと個人的には思っている。スーパーで買えばもっと安いのだが、残念ながら私の出勤時にあいているスーパーはない。なのでコンビニで買わざるを得ないのだが、仕事中のちょうどいい安らぎになっている。

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