第391話 「党議拘束」があるのだろうが。

国会の予算委員会が空転している。というのも、いわゆる「小西文書」なるものと、それに基づく立憲民主党の「やたらと声のデカい」、同じことを何度も聞く、論理のすり替えが起きる質問と、集中砲火を浴びる高市大臣のやり取りが続いているからである。


日中は仕事をしているので、国会中継を見ること能わずなのだが、YouTubeでは、そのやり取りの動画が結構上がっていて、見ていると、面白いというか、滑稽というか、こんなやり取りに時間を費やして給料をもらえるなんて、いいご身分だなぁ、と思ってしまったりする。集中砲火を受けている高市大臣も、「答弁が信用できないなら、質問しないでください」発言でケチはついてしまったが、そう言いたくなるのもわかるような、言葉は悪いがあたかも「大声で怒鳴り散らす話の通らない人」に対応する、いわゆる「クレーム処理」のような仕事に従事されて、大変なご苦労だと思う。松本現総務大臣は、しっかり仕事をされていると感じられるし、総務省側の答弁は「お役所的回答だ」とは思いつつ、言うべきことはきっちりと言っているわけで、なぜそれでここまで話が長引くのかが理解できない。


昨日は岸議員(岸委員)とのやり取りを動画で見たが、やはり、立憲民主党の議論は論理的におかしく、「牽強付会」という言葉の用例として、非常に適切ではないか、と思いながら見ていた。


質問者曰く「8年前の記憶と、残っている記録と、どちらが正しいですか?記録に決まっているでしょう!」と言い切っているが、その記録が、「作成者不明、日時不明、その文書にかかわるもので意見が食い違う。行政文書の電子記録にも残されていない文書である、また、官僚の作成する文書と明らかに異なるフォーマットで記載されたものもあり、総務省側から『正確性を担保できない』と言われている文書」である。


総務省が「正確性を担保できない(総務省の説明を聞くと、到底正確な文章とは言えないと思うのだが)」と言っている文書を引っ張り出して、「記録に決まっているでしょう!」と言える、というのはどういう了見なのだろうか?大声を張り上げれば、気分が高揚して平気になるのかもしれないが、少なくとも私には無理だ。そんな変な論理は恥ずかしくて言えない。


あともう一つ、岸議員の発言で耳目をひいたこと。「『不正確』ということと、『捏造』という事は全く違うんです!」と言っておられた。


いつぞや、国会中継を聞きながら車を運転していて、安部元首相の、「桜を見る会」への後援会の方の出席についてのことだったように記憶しているが、安部元首相が「募っているが募集していない」と発言され、質問者の(確か民主党?立憲民主党?)の議員の方が、しばし絶句された後、「『募る』という言葉と『募集する』という言葉の意味が違う、というのは今初めて知りました」と答えたときのことを思いだした。このときは、安部氏の発言を聞いて、思わず事故を起こしそうになるほどずっこけたことを覚えている。


何らかの意図をもって「不正確」とわかっている文書を作成することを「捏造」というのではないのか?少なくとも私の理解はそうなのだが(「募る」と「募集する」が同じ意味であるように)。


質問者が全員そうだ、というわけではないが、ニヤニヤして短気な議員さん(委員さん)の発言、人を威嚇するような大声で「あなたの答弁は信用できない」と質問に立つ議員さん(委員さん)、親の敵に出会ったかのような表情で牽強付会の質問をする議員さん(委員さん)、それぞれ、ご自身の委員会中継での画像を見て、人への見せ方を考えればよいのになぁ、と思う。


初期研修病院の中には、患者さんの了解を得て、研修医と患者さんとの医療面談を録画し、その後、指導医とその動画を振り返り、自身の医療面接で何が良く、何が良くなかったのかを振り返っていく、という指導を行なっている病院も少なくない。


高市氏の答弁では、発言中に少し影のある表情をされたり、うんざりした表情をされたりすることはあるが、答弁の終わりは、少し明るく微笑まれてから答弁席を離れるようにされている。おそらく、ご自身で、自身の見せ方を意識されているのだろう。


そういう視点で見ても、YouTubeの動画、面白いなぁ、と思う次第である。

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