第378話 さぁ、どうなっていくのだろうね?

3/2 「幸福の科学」教祖の大川 隆法氏が亡くなられた。その前後から教団内にはいろいろな動きがあったようである。報道では、信者の方は「大川氏は蘇る」と信じて、祈りをささげているらしいが、常識で考えればそれは不可能である。氏の著書には、自分が亡くなった後の教団については、「次期総裁に自分が「霊」として指示を伝えます」と書いてあるそうだが、その辺りも怪しいものである。


「降霊術」というものが本当に存在するかどうかは別として、氏は、その術を氏の長男、三男に伝授したそうだが、長男は現在「反『幸福の科学』運動・宗教2世を助ける運動」を行なっており、三男は行方不明とのことでどちらも教団には所属していないそうである。


大川氏の亡くなる前には、次期総裁候補として、氏の長女が挙げられていたらしいが、氏の亡くなる直前の2/26に突然、長女の名前は教団から消え、それまでは「前世は天照大神」とされていたのが、「前世は『妖怪おたふく』」と公表されることになった(妖怪「おたふく」って何じゃ?)。


ここまであからさまな覇権争いはなかなか見ることができない。教団内部では、長女(前妻との子供)と、現在の妻との間での覇権争いがあったように推測され、どうも長女が失脚したようである。


しかしながら、前妻の時も「前世」の立ち位置を変更して離婚、長女についてもそうである。大川氏が「本当に」霊視ができるのであれば、身近な人を2人も見間違えており、信者の方は、その時点で「おかしいやろ」と思わないのだろうか?面白いというか、不可解なものである。


私の記憶が確かならば、大川氏の降霊術での書籍、一番最初は日蓮を降霊させた本だったように記憶している。しかしながら、出典は忘れてしまったが日蓮の言葉で「私が亡くなった後に「日蓮の生まれ変わりである」などと「日蓮」を騙るものが出てくるが、それらはすべて偽物である」と言っておられたと記憶している。なので、「日蓮」の霊言本が出版された時点で、「この教団、偽物だなぁ」と個人的に思ったのが正直なところである。


それはさておき、巨大な集団をまとめ上げるのは相当の能力とカリスマ性、あるいは盤石な組織体系を作っておく必要がある。特に「幸福の科学」は大川 隆法氏個人を信仰の対象としていたかと記憶している。「人」に対する信仰であれば、その「人」がいなくなれば信仰の対象が無くなってしまい、宗教団体としての求心力が失われるのは自明の理である。教団を引き継ぐ人は大変である。


現在教祖が不在となっているPL教団なども衰退が明らかである。かつてあれほどのプロ野球人材を輩出したPL高校も志願者数がほぼゼロとのこと。という事で「人」に対する信仰には限界がある。


一方である意味「普遍性」を持つ「法」を規範とした信仰は長く続くように思われる。キリスト教は「イエス・キリスト」の解釈が「神と、神の子と、聖霊が一体」という三位一体説を取るので「人」に対する信仰の側面は否定できないものの、「信仰の対象」は「神」であり、「旧約聖書・新約聖書」をよりどころとしている。イスラム教も「ムハンマド」の立場はあくまで「最後の預言者」であり、信仰の対象は「神」であり、「旧約聖書・新約聖書・コーラン」を信仰の拠り所としている。


その文化から外れている私にはよくわからないのだが、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の神は全く同じ「神」であるはずなのに、各宗教間の争いが絶えないのはなぜなのだろうか?


閑話休題。仏教についても、「法に依って人に依らざれ」の言葉があるように、信仰の規範はその「教え(経典)」である。信仰の対象は釈尊であったり、大日如来であったり、阿弥陀如来であったり、毘盧遮那仏であったりとまちまちだが、その信仰の対象は「法」によって定まる。という点で、やはり「法」に対する信仰であるといえよう。


まぁ、そんなわけで、教団は今後どのようになっていくのか。「野次馬根性」的には興味のあるところではある。

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